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Channel: 寺山 英樹 | ダイビングと海の総合サイト・オーシャナ
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ダイビングデビューの理想形?「Cカード取得後そのままバディ潜水」に密着!(前編)

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オーストラリアのバディダイビング(撮影:越智隆治)

ケアンズといえば、バディ潜水のメッカですが、Cカードを取得直後、いきなりバディダイビングをするダイバーも珍しくないそうです。

バディダイビング(撮影:越智隆治)

プロダイバーと潜るスタイルが一般的な日本のダイビング事情から考えると驚きですが、実際にどんなものかと、ダイビングの教育プログラムに定評のあるディープシーダイバーズデン(以下、DSDD)で、Cカード講習→即バディ潜水というダイビングスタイルに密着してきました。

オーストラリアのバディダイビング(撮影:越智隆治)

宇田千佳子さんと井渕慎弥さんに密着

まず、DSDDのCカード取得のオープンウオーターコースは最低でも4日間。
プール講習もみっちり2日間やることになります。

短期間でのCカード講習の問題が指摘されることがありますが、問題視するインストラクターやガイドが最もよく指摘するのが「プール講習をもっとしっかりやるべき」ということ。

ダイビングのスキルを練習しマスターするプールは講習の要。
海洋実習はあくまでプールで身に着けたものの実践という位置づけです。
1日では十分でなく、ましてや半日足らずでは厳しいので、せめて2日欲しい、という声をよく聞きます。

そういう意味では、学科とプールをおよそ9:00~18:00の時間、2日間でみっちり行なうDSDDのプログラムはひとつのモデルケースといえるでしょう。

DSDDのプール施設(撮影:越智隆治)

DSDDはケアンズ市街に、深度の2段階ある大きなプールを所有

学科とプールを終えたら3日目からいよいよ海洋実習です。
ケアンズから1時間ちょっとのノーマンリーフへ。

講習生は、船酔いでふらふらになりつつも、ストレスなく初めての海の世界を楽しんでいる様子でした。

オーストラリアのバディダイビング(撮影:越智隆治)

名物のナポレオンも一緒

 

海洋講習の初日が終わると、オーバーナイトクルーズに参加した講習生2人は、宿泊船に乗り込みまったり過ごします。

翌日、海洋実習2日目。
講習生もすっかり海にも慣れ、時間を有効に使えるオーバーナイトの2人はお昼には無事にCカード取得!

オーストラリアのバディダイビング(撮影:越智隆治)

そして、いよいよファンダイビングデビュー!

午後はいよいよ講習生の2人だけのバディ潜水でファンダイビング……の予定が、悪天候のため、宇田さんが体調不良でファンダイビングをパス。
急きょ、僕がもうひとりの講習生・井渕さんのバディとなって潜ることになりました。

オーストラリアでのバディダイビング(撮影:越智隆治)

バディ潜水では、井渕さんをリーダーにし、基本的には僕は何もしないでついてくということに。

ブリーフィングでイントラのマサさんと決まりごとを確認(残圧50でエグジット、最大50分まで、無減圧潜水、水深18メートルを超えない、迷ったとき、はぐれたとき…などなど)。
その後、水中マップでコースの説明を受けいよいよ初めてのバディダイビング。

バディダイビング前のブリーフィング(撮影:越智隆治)

ロープ沿いにエントリーし、左肩を壁にして、残圧110になったら折り返してくるというシンプルなナチュラルナビゲーション

エントリーから潜降までスムーズにこなした井渕さんは、その後、コース取りに集中しているため、泳ぐのが速い速い(笑)。
どこまで泳いでいくのかと思ってついていくと、きっちり残圧110でターン。

ブリーフィングで紹介された、ナポレオンやホワイトチップまで楽しむ余裕を見せ、最後はちょっと方向を間違ったので、さりげなく修正して(笑)、無事にエグジットすることになりました。

オーストラリアのバディダイビング(撮影:越智隆治)

これぞ理想のダイバーデビュー!?

バディダイビングに密着し、自由に海を楽しんでいたCカード取得直後の井渕さんを見て、率直に、これこそ「Cカードを取得したらバディ潜水をしていいよ」という、教科書通りの講習だと思いました。

自分の頭で考えて潜らねばならないので、ブリーフィングは必死に聞きますし、講習で習ったバディチェックから決まりごとまで、完璧に守ろうという意識が強い。
安全意識を含めた講習内容を最終的に刷り込む“補強”という意味でも、ダイビングを主体的に楽しむきっかけとしても、とても効果的だと思います。

一方、不安も感じなくはありません。

「怖さはありませんでしたが、まだ不安だなーとも思いました。方向を間違ったり、水深が17mともう少しで18mに行ってしまいそうだったり(注:「OWだと18mまで」と教えられたので、水深を守る意識が高い)、自分で潜るのはまだ少し不安です」とご本人も言うように、取ったばかりで当たり前ですが、見ていてまだ危なっかしい。

実際、全員が全員、いきなりバディダイビングデビューできるわけではないようです。

「やはり講習でその人のスキルや海況を見極めてOKならということですね。少なくとも、講習の最後のダイビングで、私の手を借りずに基本的なダイビングの一連のことをこなせることが条件です。だいたい6~7割くらいの方は問題なく送り出していますが、ちょっと厳しいと思った方はイントラと潜ることをおススメしますが、だいたい本人自身が不安で『インストラクターさんと潜りたい』と言ってきますね」とマサさん。

他の海でCカードを取得したダイバーが、グレートバリアリーフでいきなりバディ潜水をすることになって、レスキューされてしまった、なんて話も実際にあるようです。
また、Cカード取得後もプロと一緒にがっつり潜ることは、安心してスキルアップにつながることも事実。

そういう意味では、講習中、マサさんが「最後はイントラと一緒ではなく、二人で潜るんだから…」と、ことあるごとにバディ潜水を意識させ、バディ潜水を前提とした講習をしていましたが、講習生とイントラがバディ潜水が前提のダイビングに意識が向いていて、受け入れるダイビングフィールドも体制が整っていることが、いきなりバディ潜水デビューできる条件でしょう。

いずれにせよ、「とても楽しかったです。サメも見られたし、いい経験になりました。今度は地元の新潟から佐渡に潜りに行きたいです」(井渕さん)、「今度は沖縄で潜ってみたい!」(宇田さん)と、また海で会いそうなダイバー仲間が増えたことは何よりでした。

オーストラリアのバディダイビング(撮影:越智隆治)

※後編へ続く

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パプアニューギニア連載コラム「千変万化」

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第一回
水中カメラマン・中村卓哉
パプアニューギニアの“この一枚”

パプアニューギニア(撮影:中村卓哉)

こちらの写真は、ニューギニア半島の最東端に位置する秘境“タワリリゾート”周辺にある奇跡の海中景観である。

ここでは海まで迫り出した森の木々を太陽光が抜け、木漏れ日のシャワーとなって海中に降り注いでいる。
パプアを代表する人気スポットだけあって、私も初めて潜るまでにイメージは頭の中に描いていた。
しかし、百聞は一見にしかずとはまさにこのことか。
実際に潜ってみると想像を遥かに超えた神秘的な光景が広かっていた。

スポットライトのように降り注ぐ太陽光といえば、海中洞窟やクレパスなど世界中にメジャーな地形ポイントは無数にある。
しかし、タワリ沿岸は数キロに及ぶ海岸線の殆どが木々に覆われているため、浅瀬を進めばどこまでいってもこのような光のシャワーを体験出来てしまう。

さらに木々が風にそよぐ隙間を抜けてくるやさしい光は、海面の波の揺らめきの波長とミックスされ、まるで舞台照明演出のようなリラックス効果をもたらせてくれる。

中でも私のお気に入りは「コーラルガーデン」というポイント。
ここは木影になった浅瀬のサンゴ畑が美しく、太陽が木漏れ日を抜ける角度によってめまぐるしく明暗のトーンが変化する。

まさにフォトジェニック。

どのように「切り撮ろうか」、「露出はどこに合わせれば良いか」四苦八苦しながらも写真家魂がかなり揺さぶられた。

パプアニューギニア(撮影:中村卓哉)

おまけにリーフエッジからは、木漏れ日を生み出す特異な沿岸部とサンゴ礁を半水面で写真に収める事が出来るのだ。

パプアニューギニア(撮影:中村卓哉)

まるで海の撮影スタジオのように、撮影意欲を掻き立ててやまない実にウマウマな好ポイントなのである。

※「一度の旅で2つの海を欲張る!? パプアニューギニア“Two Faces of PNG”」を解剖した特集はこちら!

一度の旅で2つの海を欲張る!? パプアニューギニア“Two Faces of PNG” | オーシャナ

中村卓哉(なかむら・たくや)

水中カメラマン中村卓哉プロフィール

1975年、東京都生まれ。
10歳のときに沖縄ケラマ諸島でダイビングと出会い、海の虜になる。
現在、フリーランスの水中カメラマンとして新聞や週刊誌などにコラムを掲載。
講演や写真教室などの活動も行っている。
主な著書に『わすれたくない海のこと 辺野古・大浦湾の山・川・海』(偕成社)、『海の辞典』(雷鳥社)などがある。

■パプアニューギニアへのツアーはこちらをご覧ください!

TWO Faces of PNG 2つのエリアを楽しむ!!ワリンディにてビーチ無制限セルフダイビング付♪ニューギニア航空で行く 東京発 ワリンディ & ロロアタ 全食事&10ダイブ 8日間
全食事付♪さらに無制限ビーチダイブ無料!ワリンディ☆東京発 ワリンディ 全食事&最大10ダイブ付 8日間
3本潜るとナイトダイブ1本無料☆リゾート感抜群!タワリリゾート東京発アロタウ タワリリゾート 最大12ダイブ付 8日間

■「SORA」でのウェブマガジンはこちら。
世界を巡る中村卓哉が感動したパプアニューギニア

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台風23号のバカ!宮古島潜り歩きスタート

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宮古島と池間島をつなぐ池間大橋(撮影:越智隆治)

宮古島と池間島をつなぐ池間大橋

宮古島にやってきました!
そして、台風もやってきました(泣)。

宮古島と台風23号
台風情報 – 日本広域 – Yahoo!天気・災害より

今朝22号の動向をチェックして、「これなら影響ないな」ととりあえず安堵。
羽田から離陸直後に揺れがあって越智カメラマンが台風を心配したときも、「逆に宮古島に行ってしまえば関係ないですよ。今だけ今だけ。宮古島は夏です、夏」と意気軒高だったわけです。

何ですか、23号って。

ノーマークだった台風23号がためらうことなく沖縄一直線。

不安なスタートになってしまいましたが、宮古島初潜りの越智カメラマンと共に、宮古島の王道はもちろん、「こんな潜り方もあるのね」という斜め45度下くらいから見た宮古島も探りたいと思います。
ついでに、沖縄ダイビングには付きものの台風との攻防というサブストーリーもお楽しみください。

それにしても、どうして、いつも珍道中要素が入ってきてしまうのでしょう…。
どうか、台風がメインストーリーにならぬよう、とりあえず、宮古まもる君とシーサーにお願いしておきました。

宮古まもる君とシーサー(撮影:越智隆治)

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宮古島ダイビングのベストシーズンっていつ?

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地形ポイントが集中する下地島エリア

宮古島といえば、“ダイナミックな地形”、“穴”。

「まずは、宮古島の王道をお願いします!」と山本大司潜水案内の大司さんにリクエストして、連れていってもらったのは、「アントニオガウディ」。

宮古島のダイビングポイント「アントニオガウディ」(撮影:越智隆治)

スペインの建築家アントニオガウディにちなんで名前が付けられた、宮古島を代表する地形ポイント

ホールとケーブが複雑に入り組んだ地形ポイントで、着底して見上げると、6つのブルーのグラデーションが独特に調和し、美しく幻想的です。

アントニオガウディをはじめ、宮古島を代表する地形ポイントが集中するのが下地島エリア。
宮古島初潜りの越智カメラマンが「この小さい範囲に、地形ポイントが集中しているのは世界的にも希だね。地形のバリエーションも豊富」と驚くように、個性的な地形ポイントがズラリ。

宮古島のダイビングポイントマップ

サンゴが隆起してできた宮古島は、浸食されやすい石灰岩のため独特な地形が多く、世界屈指の地形ポイントになっているといわれています。
また、島自体が濾過装置の役割を担っているため、抜群の透明度が得られるのかもしれません。

穴と地形のベストシーズンはいつなの?

「宮古島のベストシーズンはいつですか?」と聞かれることがありますが、そもそも宮古島のベストシーズンとは何でしょう?

島をグルリと囲むようにポイントが点在し、年間通して潜れる宮古島。
そういう意味ではオールシーズンの海ですが、代表的な地形ポイントが集中する下地島エリアに限定すると、勝手に10月ごろだと思っていました(なので、今、来てます)。

というのも、北東方面からの風向きになる季節で、南西に位置する有名地形ポイントが安定して潜れるから。
なので、“下地島エリアを安定して潜る”ということを考えれば、やはりベストシーズンは10月以降といえます。

ただ、地形ポイントに欠かせない“太陽光”という見方をすると、ちょっとベストシーズンの意味が変わってきます。
やはり、8月周辺の真夏の太陽光の強さは強烈で、良い感じで差し込む角度の時間帯も理想的。

では、真夏がいいのでは? と思いますが、風向きの関係で行ける確率がグンと落ちます。
船にもよりますが、行けたらラッキーぐらいな感覚だそうです。

そう考えると、「ダメ元でギャンブルしてでも最高の地形と光のシーンを見たい!」という人は夏、「有名地形スポットをはずしたくない!」という人は秋、が下地島エリアのベストシーズンといえるのかもしれません。

いずれにせよ、宮古島に限らず、地形ポイントは太陽光の強さと角度によってまったく印象が変わってきますので、太陽の位置を意識して潜ってみるとダイビングの幅が出ておもしろいかもしれません。
ガイドは皆、ベストな太陽光の季節や時間帯を把握していますので、聞いてみるとおもしろいですよ。

そんなわけで、安定して潜れるはずの10月に潜りに来ているにもかかわらず、ロケ序盤で台風の影響で地形ポイントを潜ることが危ぶまれる状況に陥っている自分たちって一体……。

近年、10月にも台風が割とやってくるようになってきているので、そういう意味では、台風を加味したうえで、安定して潜ることができるシーズンは後ろにズレこんできているのかもしれません。

宮古島のダイビングポイント「ランディングアーチアントニオガウディ」(撮影:越智隆治)

※以上は、リクエストの多い下地島エリアに限った話で、オールシーズン潜れるのが宮古島の魅力です。

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進撃の巨人を探せ!?地形の新しい楽しみ方(宮古島・ビーストキャニオン)

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宮古島の有名地形ポイントを潜った後、「まだ世に出ていない地形ポイントありませんかねー?」と大司さん(山本大司潜水案内)に無茶ぶりをしてみると、「ではオリジナルの地形ポイントへ行きましょう!」と案内してくれたのが下地島エリアの「ビーストキャニオン」。

早速、エントリーしてみると……。

ダイバーを食べようと待ち構えるビースト!?

宮古島のダイビングポイント「ビーストキャニオン」(撮影:越智隆治)

ゴリラのような巨人のようなビースト・ロック

宮古島のダイビングポイント「ビーストキャニオン」(撮影:越智隆治)

た、食べられる~

宮古島のダイビングポイント「ビーストキャニオン」(撮影:越智隆治)

吠えるライオン

宮古島のダイビングポイント「ビーストキャニオン」(撮影:越智隆治)

怪鳥!?

宮古島のダイビングポイント「ビーストキャニオン」(撮影:越智隆治)

その名の通り、多くのビースト(野獣)が潜んでいました!

地形ポイントといえば、光と青の神秘的な世界観というイメージですが、光と影によって変わる岩のいろんな表情を楽しむのもありですよね。

それに、そもそも陸上では、神が宿るという岩が多くあり、特に何かしらの姿形をしている岩はことさら神格化されてきたものです。

皆さんも、地形ポイントに潜む、動物や巨人、はたまた心霊写真(?)などなど、ぜひ探してみてください。

そこに何かしらの姿を見たのなら、それは偶然ではなく、何かしらの意志かもしれません…。

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賞金10万円ほか豪華賞品が当たる!宮古島フォトコンテスト2013作品募集中

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宮古島のダイビングポイント通り池

通り池

「宮古島フォトコンテスト2013」の作品募集が始まりました。
宮古島フォトコンテスト2013

過去に宮古島で撮影した写真をネットから投稿するだけで豪華賞品の当たるチャンス!

審査委員は、プロカメラマン越智隆治と私、オーシャナ編集長・寺山英樹。

技術だけでなく、思いやアイデアみたいなものも大事にしたいと思っていますので、潜りこんだ方だけでなく、コンデジで気軽に撮影したビギナーの方も気軽に参加してください。

宮古島フォトコンテスト応募概要

■応募期間
2013年9月1日~2013年11月30日
■応募部門とテーマと各賞
・サンゴの部   
・地形の部   
・マクロの部   
・ビギナーの部  
・海の見える景色の部  
■応募条件
今回フォトコンテストに参加しているお店をご利用したゲストで 過去に宮古島海域で撮影された写真であること。
各部門3作品まで応募することができます。
■審査員
プロカメラマン : 越智隆治 (http://takaji-ochi.com/)
ocean+α編集長 : 寺山英樹
■お問い合わせ
※各利用ダイビングショップまでお願いします。
■入賞賞品
総合グランプリには賞金10万円のほか、各部門大賞には豪華景品。

※詳細は以下フォトコンテストHPをご覧ください。

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台風直前の海で知る、ダイバーの楽しみ方それぞれ~宮古島潜り歩き~

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イチモンジコバンハゼ(撮影:越智隆治)

イチモンジコバンハゼ

沖縄本島に向かっていた台風23号。
東に抜けていってくれればいいなーと思っていましたが、プロゴルファー猿の影野小次郎ばりのフック。
まさかの宮古島一直線?(泣)

宮古島直撃の台風23号

24号もできて何だかもうしっちゃかめっちゃか…


台風情報 – 日本広域 – Yahoo!天気・災害より

10月5~6日ごろがピークの予報ですが、今日(3日)はすでにだいぶうねりが入ってきており、メインのダイビングポイントはどこにも行けません。
夕方には皆さん、台風対策の準備で船を陸に上げてしまいました。

しかし、そこに海がある限り、ダイバーたるものどこでも潜ります。
ということで、「時化っていても潜れるポイントお願いします」と伊良部島の湾内にある山本大司潜水案内のオリジナルポイント「マッドシティ」へ。

伊良部島の時化(撮影:越智隆治)

3日の時点で伊良部島までは大うねり

オリジナルポイント・マッドシティ(撮影:越智隆治)

湾内に入ってしまえば穏やかなもの

正直なところ、カメラも持っていない僕は「台風ヤダだなー、泥ハゼかー、せめてカメラ持ちたいなー、魔王がいいな魔王」と心の中でつぶやいていましたが(ごめんなさい)、常連ダイバーの吉田知香子さんの様子を見て、本当にダイビングって楽しみ方は人それぞれだと感じました。

同じ海を潜っていても、見えている景色はまったく違うようです。

前日、台風の迫る中やってきた吉田さん。
群馬を深夜3時台に出発し、6時50分発のJTA直行便で9時半ごろ宮古島に到着。
そのまま午後のダイビングから合流し、1本目アントニオガウディに潜った時から、その潜る姿がとても印象的でした。

水中で両手両足を大の字に広げて「気持ちい~」といった感じで、本当に気持ちよさそうで全身に喜びがあふれています。

年に一度の宮古島で、非日常の世界を楽しもうとお金を払ってやってきた吉田さん。
水中はほとんど日常化し、仕事で来ている僕らとは1本の質が違います(どちらがいいというわけではなく)。

「ああ、台風来ちゃって、撮影どうしようかなー……」と水中でも考え事をしている自分とのあまりにも対照的な様子に、「そうだよなー。ダイビングってこういう力があるんだよね」と率直に感動し、見ているこちらも楽しくなってきます。

そんな吉田さんはハゼが大好きで、2日目が泥地ダイビングになっても問題なし。
むしろ地形の時より目がキラキラしています。

伊良部島の湾内「マッドシティ」(撮影:越智隆治)

台風直前でも潜ることのできた伊良部島の湾内「マッドシティ」

シマオリハゼ(撮影:越智隆治)

シマオリハゼ

1時間以上2本たっぷり湾内ダイビングを楽しみ、「あー、楽しかった」と満足した様子でエグジット。
午後はビーチでマクロ探しに行けることになってウキウキしています。

正直、地味なマクロダイビングだったので、思わず「そんなに楽しかったですか!どういうところが楽しいですか?」とバカな質問をしてしまったのですが、「自分で魚を探せるのが楽しいんですよ~」とのこと。

宮古島歴22年の吉田知香子さん(撮影:越智隆治)

宮古島歴22年の吉田知香子さん

「こういうところだったら、こういうのがいるのかな? とか考えながら潜って、お目当ての魚を見つけられたら嬉しいですし、知らない魚はすぐにガイドさんに教えてもらえます。それがレアだったりするとこれまた嬉しいです。ガイドさんと一緒に潜るとすぐに答え合わせができる感じが楽しいんですよね。そういう意味ではモトコさんみたいな本当に海や魚が好きなガイドさんと潜ると楽しみが倍増します」

また、見つけるだけでなく、ハゼをはじめ、小物たちの表情を見るのも楽しいと吉田さん。

「そもそもマクロにハマった理由はニシキテグリの産卵で、じっくり観察していたら、産卵の瞬間、ニシキテグリが恍惚の表情を浮かべたんですよね。顔を赤らめたように見えた。魚にも表情があることを知り、特にハゼが可愛くて、どんどんハマっていきました。まあ、水の中にいるだけで楽しいんですけどね」

ニシキテグリ(撮影:越智隆治)

ニシキテグリ

また、カメラを持った越智カメラマンも、やはり見えている景色が違います。

被写体の性格を把握し、寄り方を考え、構図が決まったところでシューティング。
一瞬を切り取り、目では地味な世界もストロボを使えば色鮮やかな世界に一変する快感は、やはり水中写真でしか味わえない、ダイビングを劇的に変えてくれる王道。

カメラを持てば、ダイビングの幅が広がり、一見地味なマクロポイントでも、どんな海でも楽しむことができます(あー、カメラ持ちたい 笑)。

実際、地形ポイントには目もくれず「マッドシティ」を3日間リクエストしたフォト派ダイバーもいて、1日目はカメラも持たずに水中の環境把握、二日目は狙いを定めた被写体を撮影、三日目は二日目の出来を踏まえて、写真の仕上がり度を高める撮影、という潜り方をしたそうです。

シリキスズメダイ(撮影:越智隆治)

シリキスズメダイ

一方、吉田さんの他、もう一人のゲストは「せっかく宮古島に来たからとりあえず潜れればえーねん」と30分ほどでさっさとエグジットし、「ダイバーのみんなとたくさん話すのが楽しいねん」と交流を楽しみ、また、趣味である民謡が聞ける酒場に行くのを楽しみにしていました。

そして、自分はといえば、こうしたダイバーやガイドなどの人間模様につい興味がいってしまいます。

同じ海を潜っても、思い、情報、状況など、海の中に持ち込む要素によってまったく違って見える景色。

台風直前の一見地味なポイントだったからこそ見えたものでした。

どれがいいというわけではなく、むしろ何でもいいと思うのですが、魅力的だと思ったダイバーや何かを心底楽しんでいるダイバーを見つけたら、話を聞いてみたり、少し真似をしてみたりすると、刺激を受けたり、思わぬ広がりを見せることがあるかもしれません。

ギンガハゼ(撮影:越智隆治)

ギンガハゼ

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宮古島の名高い霊場「漲水御嶽」(はりみずうたき)での台風よけ祈願は神様に届くか

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宮古島の霊場「漲水御嶽」

台風23号の直撃を受けた5日、島内は暴風雨。

台風の宮古島の海

台風の宮古島(撮影:越智隆治)

船も陸に上げられ、もちろんダイビングはお休みです。

台風の宮古島(撮影:越智隆治)

しかも、24号が同じルートでやって来ると聞き、「こりゃいかん」と思っていると、Fish a gogo!の佐瀬さんが「ここにお願いすれば大丈夫」と連れていってくれたのが、宮古島で最も格調が高いとされる漲水御嶽(ハリミズウタギ)。

宮古島の霊場「漲水御嶽」(撮影:越智隆治)

神様の降臨する聖なる場所として沖縄の人々に信仰されている御嶽(ウタキ)。
男子不可侵で、むやみに足を踏み入れてはいけない聖域とされていますが、この漲水御嶽は例外で、男性でも観光客でもオープンに祈願することができます。

※御嶽や漲水御嶽については、このサイトによくまとまっています
宮古島一の霊場と蛇婿入り「漲水御嶽」【宮古島】 :日本珍スポット100景

俗的過ぎる裏の話では、「お賽銭は1000円500円以上じゃないと効き目がない」とのこと(笑)。
台風2連発直撃はさすがに辛いので、1000円奮発して(佐瀬さんが)、拝所でそっと手を合わせて24号回避祈願。

宮古島の霊場「漲水御嶽」(撮影:越智隆治)

祈りが神様に届いたのか、24号は直撃コースからスライスし、どうにか海も早めに回復しそうな予感。

宮古島と台風24号
台風情報 – 日本広域 – Yahoo!天気・災害より

漲水御嶽はパワースポットとしても知られているので、皆さんも、台風がなくてもダイビングの合間に、ぜひ足を運んでみてください。

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神様に泥を塗りたくられる!宮古島の奇祭「パーントゥ」

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宮古島の奇祭「パーントゥ」(撮影:越智隆治)

台風の影響でダイビングができず、ホテルに閉じこもっていると、大司さん(山本大司潜水案内)に宮古島北部の島尻に伝わる「パーントゥ」という祭りに誘っていただいた。

どんな祭か聞いてみると、「全身泥まみれの神様が襲って来て、容赦なく泥を塗りたくられるんですよ(めっちゃ笑顔)」。

「お、おもしろ…そう…ですね?(困惑)」

正式には「パーントゥ・プナハ」と呼ばれ、国の重要無形民俗文化財に指定されている伝統ある行事。

パーントゥは妖怪や鬼、プナハは祈願祭という意味があり、全身泥まみれの3匹の神様が現れ、人はもちろん、新築の家、パトカーなど、容赦なく泥を塗りまくるとのこと。

ということで、汚れてもよい格好をし、カメラはハウジングに入れて、大司さん一家とパーントゥの里、島尻へ。

宮古島の奇祭「パーントゥ」(撮影:越智隆治)

到着したのは17時過ぎ。

パーントゥが生まれるとされる聖地「ンマリガー(生まれ井戸)」から、17時にパーントゥは現れるそうなので、すでに集落を歩き回っているころ。
集落は異様な熱気に包まれています。

すでに泥だらけの人たちとすれ違いつつ、集落の中心部までやってくると、いました!
パーントゥ2体が、人々に泥を塗りたくりながらやってきます。

宮古島の奇祭「パーントゥ」(撮影:越智隆治)

独特の仮面と蔓草のシイノキカズラをまとい、ンマリンガーの井戸からくみ上げた泥を全身に塗るパーントゥ

最初はゆっくり歩いていたパーントゥですが、ターゲットを定めると、いきなりダッシュをかけて、どこまでも追いかけて泥を塗りたくってきます。

宮古島の奇祭「パーントゥ」(撮影:越智隆治)

百数十年前のお祭りの日に、島尻の北の海岸に流れてきたクバの葉で包まれた仮面を、神女たちは海の彼方からの来訪神だと考え、大切に保管するようにと村の人々に伝えたといわれている

選りすぐりの若者に追いかけられれば、そうそう逃げ切れるものではありません。
女性の方が追いかけられる確率が高く、密着度も高い気がするのは気のせいでしょう(笑)。

早々に大司さんもやられ…。

宮古島の奇祭「パーントゥ」(撮影:越智隆治)

ダイバーの仲良し三人組もこの通り。

宮古島の奇祭「パーントゥ」(撮影:越智隆治)

どう見ても襲われているとしか見えない人も……。

宮古島の奇祭「パーントゥ」(撮影:越智隆治)

それでも皆、嬉しそうなのは、泥を塗られると無病息災、厄払いになるからです。

しかし、小さい子供たちにとっては厄払いもへったくれもありません。
ただひたすらの恐怖。

真剣に逃げまどい、泣き叫んでいますが、子供に容赦するパーントゥではありません。

逃げても無駄。

宮古島の奇祭「パーントゥ」(撮影:越智隆治)

泣き叫んだって無駄。

宮古島の奇祭「パーントゥ」(撮影:越智隆治)

むしろ、嫌がる子供を捕まえて、パーントゥに差し出す親も。

宮古島の奇祭「パーントゥ」(撮影:越智隆治)

特に赤ちゃんや新築の家屋に泥をつけると、悪霊を祓うのと同時に祝福するという意味もあるので、大人たちは泣き叫ぶ子供を喜んで差し出します。

昔は子どもが生まれた際に、ンマリガーの井戸の水を産湯に使っていたとのこと。
でも、差し出した大人に二度と寄り付かなくなった子供もいたり。

へっちゃらな赤ちゃんも。

宮古島の奇祭「パーントゥ」(撮影:越智隆治)

強烈なヘドロ臭、子供の絶叫、笑い声に包まれるパーントゥ狂騒曲。
17時に始まった祭は、途中、パーントゥの具合が悪くなって2体になってしまうというハプニングがあったものの(笑)、20時まで続くのでした。

宮古島の奇祭「パーントゥ」(撮影:越智隆治)

漂着した仮面を親(んま)、残り2つの仮面を、中(なか)と子(っふぁ)として、選ばれた若者が体中に泥を塗り、神の化身となって人々の無病息災を願う

パーントゥが開催されるのは、ダイビングのベストシーズンでもある10月ごろ。
ぜひ、アフターダイビングで遊びにいきたいところですが、開催日は、旧暦9月の戊の日から数日内とのことで、開催日の発表も直前。
※旧暦について→旧暦のしくみ – 旧暦入門

台風で気分もどんよりしていましたが、思いがけず珍しい祭りに参加することができ、楽しいひと時を過ごすことができました。

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夫婦で好きなことを仕事にすること、南の島へ移住すること

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ダイビングボートに乗っていて、つい、じ~っと見入ってしまうことが何度もありました。

今回、ガイドをしていただいた山本大司潜水案内の山本さんご夫婦が会話をしている様子です。
そのあまりの仲の良さに、つい目がいってしまったのです。

山本大司潜水案内の山本さんご夫婦(撮影:越智隆治)

夫婦でダイビングショップを経営している人は多いですが、奥さんが陸の担当であることも多く、たとえ一緒に船上で働いていても必要以上のことは話さない印象があります。
亭主関白の夫に内助の功の奥様のそれぞれが役割分担をしていて、それぞれがゲストの方を向いているイメージ。

よく言う、恋人同士はお互いを見つめ合い、夫婦は同じ方向を見つめて歩んでいくってあれなので、それはそれで理想的です。

しかし、山本さん夫婦の場合、操舵室に二人でいる様子を遠くから見ていると、冗談を言い合い、常に笑っています。
初期からの常連である吉田さんによれば、「目だけで会話していることもよくありますよ」とも。

結婚したことのない自分でも、長く付き合うと彼女と話すことは減ってくるというのに(だから結婚できないのか?)、24時間一緒にいて、なにをそんなに話すことがあるのだろう?とちょっと不思議。

12歳を筆頭に3人のお子さんがいてもなお、「大ちゃん」「モトコ」と呼び合うその仲の良い姿が新鮮で、興味本位で馴れ初めなどをしつこく聞いていると、思いがけず「南の島に移住」「好きなことを仕事にする」など、海が好きな人が憧れる生活について、いくつかヒントが見えてきたような気がしたので紹介します。

出会いはダイビングショップの先輩・後輩

まずは、二人の簡単な物語から。

23年前にひょんなことから誘われて、「島暮らしもいいかなー」と気軽な気持ちで宮古島にやってきて、とあるダイビングショップで働き始めた大司さん。
7年働いた後に独立し、裸一貫で店舗もない状態でガイド業を続けていたそうです。

やがて、「それならうちでも手伝って」と声をかけられた老舗ショップにいたのがモトコさん。
15年前のことでした。

山本大司潜水案内の山本さんご夫婦(撮影:越智隆治)

一方、東京でOLをしていたモトコさん。
地元・大洗の海しか知らないモトコさんは、西表島での体験ダイビングで、「とんでもない透明度とサンゴ礁に感動」し、すぐに仕事にすることを決意。

当時、ダイビングガイドという仕事は、好きな海に潜れて、ゲストと楽しく話せて、「こんなに楽で楽しそうな仕事はない」と思ったそうです(笑)。

家の近くにあったダイビングショップを利用し、伊豆で50本ほどの経験を経て、OLを辞めてツテのあった宮古島の老舗ダイビングショップで働くことに。

昔ながらの老舗ダイビングショップでは、修行期間はタンクのチャージから、連夜のおとーり、陸上の雑務などなど、潜ることもままならず、同僚も逃げ出す中、3年目でも一番下っ端のまま。
そんな時に、「新人が入って来る」と聞かされ、やって来たのが大司さんでした。

「やっと私にも後輩ができる!」と喜んだモトコさんでしたが、やって来たのが、すでに経験豊富でガイドとしての腕を見込まれてやってきた年上の大司さんと知り、当時、角刈りでヒゲ面だったこともあり、「感じわるーい」が第一印象だったそうです。
ちなみに、大司さんのモトコさんに対する第一印象は「生意気なヤツ」。

その後、一緒に働いている期間中は、とにかく忙しかったこともあり、好きもへったくれもなかったそうですが、忙し過ぎてみんながテンパって自分のことで精いっぱいの中、大司さんだけが「ちゃんと食べてるか」とか「元気か」と声をかけてくれたそうです。

当時、宮古島で時代の最先端だったファミリーマートのサンドイッチを差し入れしてくれた時は「なんていい人だ!」と大感動したそうですが、それが大司さんの恋心だったのかどうかは大司さんのみぞ知ることです。
それにしても、サンドイッチで感動とは何というコスパのよさ。

やがて、大司さんが再び独立してから二人は接近。

まだ一番下っ端で、給料も雀の涙ほどだったモトコさん。
ガイドとしてバリバリ稼いでいた大司さんがゲストを連れて老舗ショップを利用することもあり、そうすると、「今日は○人のゲストだから、いくら稼いだなとわかるので、とにかくおいしいご飯が食べたくて、いつもたかっていました(笑)」

人生何が幸いするかわかりません。
サンドイッチで心惹かれて、おいしいご飯で急接近した二人は自然に付き合うようになっていきます。
いや、もちろん照れ隠しの理由でしょうけど(笑)。

やがて自然の成り行きで結婚することになり、結婚の報告で帰郷をした際に妊娠も発覚。
モトコさんは下積みを3年続け、やっと一人前として認められガイドデビューしたてだったこともあり、「繁忙期に戦力として数えられていたので、二人であちゃーと思い、ショップのオーナーに報告するのは、親に報告するより緊張しました(笑)」というのは今では良い思い出。

その後、山本大司潜水案内を立ち上げ、二人三脚でやってきて、今年で16年目を迎えています。

「好きなことを仕事に」も突き抜ければ大きな原動力

モトコさんの話を聞いて驚いたのが、出産を機に海から離れる女性も少なくない中、すべての出産後3ヶ月でガイド復帰していること。
お店が忙しいという事情かなと思いきやそうではありません。

「潜りたくて潜りたくてストレスで我慢できなくなっちゃって」

最初の1本で「これ仕事にする!」と即決するほどダイビングが好きなモトコさん。
「休みの日でも潜りにいきたいです」と言い、周囲のガイドたちも「あの人はダイビング好きだよね~」というほど海が好き。
家でも海の話をよくするそうです。

「好きなことを仕事にしたい」とガイドやイントラを目指す若者に、「好きなだけじゃ飯は食えない」「そんな甘いもんじゃない」とよく先輩たちは諭します。

それは経験に基づく真実でしょうが、「好きなことを仕事にできて、本当に幸せです」と目を輝かせるモトコさんを見ていると、好きなことがとてつもない原動力になることもまた真実だと思い出させてくれます。
「こんな楽そうな仕事はない」という印象から一転、厳しい下積み生活を送っていたモトコさんですが、「潜れることでリセットができた」ことは大きな強みになったはずです。

沖縄移住のポイントは“根をおろす”覚悟

“好きなことを仕事にしたい”、“沖縄で暮らしたい”という人は少なからずいますが、実現させるためにはどうしたらよいのでしょうか?

「二人とも若いこともあって割と軽い気持ちで宮古島に来ちゃっていますが、来たら来たで、根をおろす覚悟を持って、目の前のことを真剣に一生懸命やることの積み重ねじゃないかな」と大司さん。

「やっぱり、仕事をしっかり見つけることが大事だと思います。そこから生活の基礎となる交友関係ができる。沖縄暮らしに憧れてやってくる人は多いですが、仕事を頑張っていないと結局帰ることになっちゃう人も多いですからね」とモトコさん。

動機は何でも良いけれど、根をおろす覚悟としっかり働くことが南の島への移住のポイントということです。
やっぱり、シンプルに基本的なことが大事なんですね。

また、沖縄移住で気になる、島の人たちとの関係や子育て。
その辺、宮古島はどうなのでしょうか?

「沖縄というとないちゃー(本土の人)が肩身の狭い思いをするというイメージがありますが、宮古島は割とその辺りはオープンです。沖縄の中では割と都会で、ないちゃーがひっきりなしに行き交ってきたことも大きいかもしれません」と大司さん。

他のないちゃー出身のガイドたちに聞いても、「いろんな沖縄の離島で住んだことがありますが、宮古の人は外の人に優しいですよ」「沖縄のマイナス面の気質を表す時にヒジュルー(冷たい)なんて言うこともありますが、宮古の場合はガーズー(頑固)なんて言われていて、ちょっと他の沖縄と気質が違うのかもしれませんね」などなど、住みやすいと口をそろえます。

では、子育ての面ではどうでしょう?

「子供は宝で、おじい・おばあを大切にする文化ですから、根をおろせば、他人の子もみんなの子として扱ってくれるので『ちょっと見てて~』みたいなことができるので助かります。東京みたいな綺麗で衛生的な保育園とは程遠い、なかなかファンキーな託児所でしたが(笑)、皆の協力で子供たちは元気に育っています。今は上の子が下の子を見てくれるので安心して留守を任せられます」とガイドをしながら3人を育てているモトコさん。

「ダイビングガイドという職業で考えると、海外だと自分たちだけならいいんですけど、子育ての面ではちょっと不安。帰国するかどうかの話まで考えなくちゃいけない。そういう面では沖縄は日本ですから、根もおろしやすいですよね」と大司さん。

これからも夫婦でのんびり、こじんまりと

「夫婦で24時間一緒ってどういう感じですか?」と遠慮のないバカな質問をしてみると、「24時間一緒が当たり前ですからね~。普通です」という大司ですが、小さい声で「ま、かけがえのない存在です…」とボソッと。ひゅ~。

あえてデメリットを聞くと、「ガイドに身が入っていないと怒られます(笑)」。
一方、「家の喧嘩を引きずることはたまにありますね」とモトコさん。

全部のことを夫婦二人でやらなければいけないのは大変ではあるけれど、これからも夫婦でこじんまりとやっていきたいという山本夫婦。

「本当は下を育てて任せるといったことを考えなければいけないとも思うのですが、リピーターさんと共に自分たちも歳を取っちゃうのもいいかなと。年齢層も上がってきていますが、そうした落ち着いた雰囲気を大事に二人でやっていきたいですね」

宮古島に根をおろして23年。
やんちゃな子供たちに囲まれながら、今日も明日も二人で海に行き、船上で楽しそうに冗談を言い合っています。

山本大司潜水案内のラウンジ(撮影:越智隆治)

落ち着いた雰囲気のラウンジ

山本大司潜水案内のニライカナイ号(撮影:越智隆治)

ニライカナイ号

山本大司潜水案内のクラブハウス(撮影:越智隆治)

リピーター専用のクラブハウス「もぐらぁハウス」を併設

山本大司潜水案内の山本さん(撮影:越智隆治)

宮古島ガイド歴23年。口ベタだけど、心優しきラガーマン

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海と星空しかない贅沢。大人の休日・宮古島ダイビングクルーズ

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宮古島ダイブクルーズ(撮影:越智隆治)

台風も過ぎ去り5日ぶりの海へ。
ここまで来たら納得いくものを撮りたいので、ロケ日程も大幅に延長することに。
いつ帰るんでしょ、僕ら(笑)。

今日から24°NORTH(ニーヨンノース)のクルーズ船“TIDA Again”に乗船し、宮古島のクルージングの旅へ。

24°NORTH(ニーヨンノース)のクルーズ船“TIDA Again”(撮影:越智隆治)

透明度はイマイチで海況はベストとは言えないものの、うねりもなくなり有名地形ポイントの集まる下地エリアにも潜れるようになりました。

魔王の宮殿。

宮古島の魔王の宮殿(撮影:越智隆治)

宮古島を代表するダイビングポイントを3本潜り、今夜は下地島の浜に停泊。
今まさに、シャンパン片手に海を赤く染める夕陽を見ているところです。

宮古島ダイブクルーズ(撮影:越智隆治)

いや~、最高です。
昨日までとは別世界。

街ステイは便利で、お店がたくさんあるのも宮古島の良いところですが、海と星空しかない世界は格別です。
クルーズ船はカタマランタイプのヨットで、デッキは横に広くとてつもない開放感。
揺れもなく、小洒落たバーのようなサロンは心地よく、時間がゆっくりと流れていきます。

宮古島ダイブクルーズ(撮影:越智隆治)

夜はオーナーの渡真利さん自らシェフになって、宮古牛でバーベキュー。

宮古牛のバーベキュー(撮影:越智隆治)

海だけでなく、沖縄離島・宮古島そのもののクオリティーを感じる大人の洋上生活。
たまりません。

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今日も宮古島のどこかの洋上で営業中。住所不定「さちこ食堂」

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宮古島「Fish a gogo!」のさちこ食堂

宮古島潜り歩き、続きましては「さちこ食堂」に乗って地形ポイントへ…。
ん? 食堂に乗って!?

そう、ダイビングショップ・Fish a gogo!の船の名前は「さちこ食堂」。

なぜ?の問いにオーナーの佐瀬章さんは「ノリ」と言いますが、愛妻家であるのはもちろん、料理上手であることがわかります。
さらに、宮古島のランチ事情も背景にあるような気がします。

名古屋の喫茶店がなぜかモーニングに気合いを入れるように(なぜでしょう?)、宮古島のダイビングショップはなぜかランチに気合いが入っています(なぜでしょう?)。

通常は出来合いの弁当であることも多いダイビングのランチですが、僕が潜ったことのある宮古島の5ショップすべてが手作りのうえ、船上で簡単な調理までして出来立てが出てきます。

呼応するように、宮古島フリークのダイバーの中にはショップを潜り歩くというより食べ歩くツワモノも出て来て、奥様、スタッフたちは腕によりをかけてランチを作ります。

そんな宮古島のランチ事情の究極型が「さちこ食堂」。
店名の「Fish a gogo!」も「ノリです」と言っていて、確かにノリっぽい感じもするので(笑)、船名も特に意図していないのかもしれませんが、とりあえず看板に偽りなし、です。

宮古島の海(撮影:越智隆治)

食堂のロケーションは最高!

まず、さちこさんこだわりの食器がカラフルで可愛い!
サメの形をしたトング、ニコニコマークのスプーンや箸、ザクの箸置き(これは佐瀬さんの趣味と思われる)などなど、こうしたちょっとしたことが嬉しいですよね。

もともと船は、個人的に大好きな緑を基調としていることもあり、椅子もカラフルで、ワクワクと明るい気分にしてきます。

宮古島「Fish a gogo!」のさちこ食堂

「ゲストのメニューが一日としてかぶらない」というメニューのラインナップは無限。

この日は沖縄産のアグー肉を使ったビビンバがメインで、その場で盛り付けてくれます。
「島野菜をたっぷり使うことを心がけています」というポリシーのもと、宮古ゼンマイや宮古で獲れたモズクのスープなど、ヘルシーで美味しい!

思わず、「明日のご飯は何ですか?」と越智カメラマン(子供か!笑)

宮古島「Fish a gogo!」のさちこ食堂

食後のデザートまで付いていて、この日はパンナコッタ。

宮古島「Fish a gogo!」のさちこ食堂

これがまたその辺のスイーツ店で買うより美味しくて、やっぱり「明日のデザートはなんですか?」と越智カメラマン。

さちこさんのブログには料理の話題も多く、僕もついチェックしてしまいましたが、「ココナッツミルクかけソーメン」が気になっています(笑)。
美味しんぼバンザイ! – livedoor Blog(ブログ)

住所不定「さちこ食堂」は、今日も宮古島洋上のどこかで開店中。

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夢体験!宮古島の海で100頭近いシワハイルカと遊ぶ

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宮古島のイルカ

写真:脇本起代

2013年10月14日(月)、滞在している宮古島のダイビングエリア、下地島の中の島でシワハイルカの大群が登場!

数年に一度あるかないかの珍ゲストに、ダイバーのみならずガイドたちも沸いた1日となりました。

いつものように、宮古島の代表ポイントの集中する下地島へ向かう途中、「イルカ!」の声で水面を見ると、無数の背びれが見え隠れしています。
その数、およそ100!

「逃げるだろうな」と思いつつも、急いで、水中に飛び込むと、逃げるどころか、興味を持ってこちらに寄ってきます。

宮古島のイルカ

写真:脇本起代

ダイバーの周りをグルグル回っては寄って来て、手が届くほどの距離。

宮古島のイルカ

写真:脇本起代

宮古島のイルカ

写真:久保泰史

およそ1時間、遊び疲れたのは人間の方で、エグジットのため船に戻ろうとすると「もっと遊んで~」とばかりに追いかけてきます。

ダイバーなら誰もが憧れる夢体験。

24°ノースのガイド、キヨさんも6年宮古島にいて初めての体験。
ラッキーな1日となりました。

宮古島のイルカ

写真:脇本起代。ハンドウイルカに似ていますが、もっと口が細くシュッとしています

以上、ラッキー体験した人が嬉しそうに話すのを微妙な気持ちで聞きながら書いたレポートでした(涙)。

※僕たちは、同じ宮古島にいながら、下地島とは離れた宮古島の南エリアを潜っていましたので……。

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【アンケート】恋人・結婚相手はダイバーがいいですか?

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先日、ご紹介した「結婚相手はダイバーがいいですか?」のアンケートですが、かれこれ5~6年前のmixiアンケートで取ったもの。

セブ島のスズメダイ(撮影:越智隆治)

そこで、改めてオーシャナ読者に質問したいと思います。

Note: There is a poll embedded within this post, please visit the site to participate in this post's poll. Note: There is a poll embedded within this post, please visit the site to participate in this post's poll.

アンケートの〆切は、2014年2月7日(金)23:59です。
結果は後日改めて発表いたします。

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PADIオープンウォーターコース改定で本当に何かよくなるの?~今週の多事総論~

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セブ島の魚の群れ(撮影:越智隆治)

PADIの改定について、
惚れてない視点から

今週の連載で、久保さんによる「PADIオープンウォーターダイバーコースの改定」という記事がありました。

久保さんは、「まるで“アバタもエクボ”の、“惚れた女がいい女”と開き直るような、根っからのPADI好き」と立場を明らかにした上で、「今回の改定がいかに良い形で世界の今後のダイビング教育に影響を及ぼすだろうか、ということを検証する試み」としています。

惚れた女と、建設的にどううまく付き合っていこうかという論考はとても大事で続編も楽しみですが、そんなに惚れているわけでもない僕は、アバタはアバタ。
ということで、今回は、人の彼女に「そんないい女かねぇ」とツッコミを入れる、嫌な男の論考です(笑)。

今回の改定は、PADIの創立時から関わっているやどかり仙人さんの言葉を借りれば、「PADIの改定は自己責任で潜ることへの原点回帰」。

すごくざっくり言えば、「手抜きとかやめてさ、バディ潜水ができるように、もっと、ちゃんと教えようぜ」ってことだと思うのですが、僕が注目していたのは、“物理的に”、プログラムの日数や本数が増える、あるいは、担保される仕組み・ルールになるのかどうかということでした。
例えば、プール講習や海洋実習の時間・本数の最低条件が増えるかどうか。

ただ、漏れ伝わってくるところでは、特にそうしたプログラムの物理的な変化はないとのこと。
だとすると、率直に思うのは、インストラクターへの要求が上がっただけな気がするのですが、どうなんでしょうか。

改定する前に、講習生にバディでの計画潜水をさせる項目ができるらしいという噂を聞いて、「お~、それは素晴らしい」と思っていました。

ただ、それは、今までのプログラムに上乗せされる項目だと思っていたのですが、特に本数や日数にルールが変わるわけではないと聞き、そうなると、インストラクター、あるいはショップが自発的に、例えばプールの時間を増やしてみたり、よりゲストの達成度に合わせた講習をしなくてはいけないということ。

いや、インストラクターが自発的に講習の質を高めてくれるのは理想的でありがたいのですが、そんな性善説で、抜け道のあるやり方だと、結局、意識の高いインストラクターが割を食う気もするんですよね……。

話はちょっと飛びますが、ちょくちょくニュースで、経理の人が会社の金を横領って話があります。
だいたいが、社長が経理を人間的に信頼し、性善説に立って、会社のお金を一人に任せちゃうのが理由。

どんなに信頼できる人でも、目の前に大金があり、不正ができる状況にあれば、そりゃ横領する人も出てくるでしょう。
借金などあればなおさら。

もう1人担当をつけ、ダブルチェックの体制を整え、“物理的に”不正ができない仕組みの中に置いてあげることが、結局はその人のためにも、会社の利益にもなるって話です。

同じように、Cカード講習でも、“ゲストに合わせた達成主義”といえば聞こえはいいですが、ルールを整えてあげなければ抜け道、裁量という名の手抜きの温床。
“素晴らしいインストラクター”が教えていること前提でしか成り立ちません。

いや、僕の周りのPADIインストラクターは、実際、意識が高く素晴らしいインストラクターばかりです。
彼らが教える分には、きっと、本質を見つめ、ゲストに合わせてプログラムを調整するから良いのですが、目に見える利潤のみを追求するインストラクターがいたとすれば、当然、人によって違う“達成”という主観を利用するでしょう。

どんなゲストでも、プログラムの最低条件で講習をし、料金を下げる、あるいは利益率を上げるのは容易に想像できます。

それに、田原さんが言っていたように、「南の島で●日間でCカード取得ツアー!」の参加者を認定しない決断をするには結構勇気がいると思います。

もちろん、「そんな利潤のみ追求して、おざなりの講習をしちゃいけません!」というアプローチは正しく、実際、意識の高いインストラクターさんは、そうした啓蒙を続けています。

しかし、先ほどの経理の話でいえば、そういうおざなりな講習ができない状況を作るというアプローチも同時に必要でしょう。
ダイビングをやったことのない人にとって、講習内容などまったくの未知の世界ですから、なおさらです。

で、そのキーパーソンのひとつが、ダイビング指導団体(や、自戒を込めてダイビングメディア……)。

やっぱり、抜け道があれば、抜け道だけで生きる人もいるわけで、そうなると、きちんとした講習(これも曖昧ではあるのですが)をしているショップ、インストラクターは価格競争で負け、おざなりショップに勤める現場のイントラは、厳しい日数の中、求められる成果だけが上がるという悪循環。

現状の講習に足りないところがあると思うのであれば、インストラクターの質の向上と両輪で、プログラムの本数や日数の条件を上げて、ルール化するしかないと思うんですよね。
(長期的には、インストラクターの認定を厳しくって話もありますね)

PADIが安全の講習会を開催したり、少し前には、必ず講習でやるべきスキルの項目を公表したり、今回のように、原点回帰の改定をして、啓蒙、広報することは素晴らしいことだと心底思います。

ただ、「今回の改定をきっかけに、自分たちイントラもきちんと講習していこうじゃないか。良い方向を目指そうじゃないか」という方向へ行くことはとてもいいことだと思うのですが、一方で、PADIのリスク回避のためのアリバイ作りにもとらえることができますよ、という指摘はしておこうと思います。

「惚れた女に貢がされてない?」という指摘(笑)。

単純にこれまでと変わらず講習ができる環境なのに、質の向上が求められるというのは、インストラクターの負荷が増すってこと。

そこでイントラ側が自発的に意識、質を高めるのも大事ですが、同時に、「じゃあ、そういう環境を作ってよ」という要求も必要だと思うのです。

以前、ご紹介したケアンズのバディ潜水事情も、結局、州による法律があって、抜け道のない状況だからこそ成り立っています。

もちろん、すべてを指導団体や講習プログラムで解決しようとするのも無理がありますし、PADIとしても、日数や本数を単純に増やして他団体との競争に負けては本末転倒になるという事情もあるのでしょうが、物理的な状況が改善されないまま質の向上を論じられると、建前が増えるだけという懸念はどうしてもぬぐえません。

まあ、久保さんはそんなことは百も承知の上で、今回の改定をどう活かしていくのかという話をしていると思うんですけどね。

僕も野暮なツッコミはこれまでにして、次回以降の「レクリェーション・ダイビングの世界に何が起きて、何が今回のオープン・ウォーター・ダイバー・プログラムの改定に影響を与えているのかを推論」を楽しみにしたいと思います。

科学で変わる法的リスク

同じ指導団体がらみのニュースでBSACのロゴシーズの講習プログラム。

と書いている今まさに、プレスリリースでSSIのロゴシーズ講習プログラムのニュースが飛び込んできました。
山形カシオ株式会社|ニュースリリース

すでにPADIでもスタートしていますが、この流れは何なのでしょうか?

山形カシオのロゴシーズ(イエロー)

基本的には、新たなマーケットということでしょうが、おもしろいなと思ったのは、ロゴシーズを法的リスクという側面で考えている人たちがいること。

つまり、ジェスチャーでしか意思疎通のできない水中で会話ができれば、安全性が向上し、講習の人数比などにも影響が出るという考え方です。

例えば、インストラクターが水中でOKサインを確認した後の講習生の溺水事故があり、そのOKサインについて、水中の意思卒通がひとつの争点になったことがありますが、こうしたことも水中で会話ができれば解消される可能性があるということです。

また、録音機能を使って講習内容のチェックができる、なんて話もあります。

まあ、実際に使った時に、まったく上手に会話できなくて「これは現場では無理だな」というのが率直な感想だったのですが、自分が使ったのは初期のものでどんどん進化していると聞きますし、自分にスキルがなかっただけなのかもしれません。
もう一度、ぜひ試してみたいと思っています。

はぐれたときのためにレーダーフロートを携帯する動きなど、ダイビングスタイルを変えるような、優れた道具が出てくるとワクワクしますよね。

今週はこの辺で。

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日本でここだけ!熊本で「厄払い・禊ぎのお祓いダイビング」

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厄年を迎え、「さて、どこに厄払いに行こうか」と悩んでいるダイバーさんにぴったりの神社があります。

熊本・浮島神社のお祓いダイビング。

熊本のお祓いダイビング

2014年、熊本ダイビングサービス よかよかが、浮島神社(うきしまじんじゃ)とコラボして始めたこの“お祓いダイビング”。

厄払いやお祓いをした後、神社の湧水の御神池(ごしんち)で禊(みそぎ)のダイビングをするという、日本で唯一のダイビング体験です。

熊本の浮島神社

約6000坪の広さのある御神池は湧水でできている

浮島神社で祀られている神様、イザナギは日本で初めて禊を発明した神様で、知らず知らずのうちに、はからずも身についてしまった様々な災厄を、“清浄な水”の作用で流し去ってくれます。

直接、御神池に潜って、頭の先から足の指先まで清浄な湧水に包まれるダイバー。
これほど厄が落ちそうな厄払いは他にありません。

熊本の浮島神社

熊本市内からすぐの浮島神社

神社でお清めをした後、池で禊ダイビング

湧水の池に入る前に、まずは神主さんに器材や体を祓い、安全祈願のお清めをしてもらいます。
器材を背負いながらもよし、降ろすもよし、水辺でやるもよし。

熊本のお祓いダイビング

お祓いが済んだら次は禊ぎのお時間。
池の神様にお詣りをして、厳かに清浄水の中にお邪魔させてもらいます。

熊本のお祓いダイビング

御神池に入る前に合掌礼拝

熊本のお祓いダイビング

熊本のお祓いダイビング

「日本のため池100選」で潜る湧水ダイビング

御神池は、日本の名水百選、ため池百選もそれぞれ選出されており、池には、たくさんの魚や生き物たちが暮らしています。

熊本の御神池でのダイビング

「熊本ダイビングサービス よかよか」の中野誠志さんによれば、「キラキラと光るオイカワ、でっかくて好奇心を持つナイルティラピア、コイ、フナ、70cmほどもあるライギョ、たぶん池の主のオオナマズ、昔懐かしアメリカザリガニなどなど、海では見られないお魚たちが盛りだくさんです」とのこと。

熊本の御神池でのダイビング

ナイルティラピアとオオカナダモ

熊本の御神池でのダイビング

ナマズ

珍しい湧水ダイビングを楽しみながら厄払いができるお祓いダイビング。
厄年の方はもちろん、開運祈願したい方はぜひ潜りにいきましょう。

また、浮島神社のお守りは、『うきお守り』と言って、潜っても無事に上がってこられるというご利益があり、まさにダイバーにうってつけです。

うきお守り(熊本)

うきお守り

【厄払い・禊ぎダイビング料金】
半日コース:12,600円
一日コース:15,750円

【問い合わせ先】
sayseanakano@gmail.com
TEL=0964-53-0611
携帯=090-7291-0661

熊本ダイビングサービスよかよか 中野誠志

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ミスリードされがちな潜水事故を正しく伝えるために~今週の編集長・多事総論~

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セブ島のソフトコーラル(撮影:越智隆治)

潜水事故データの実態とミスリード

日本における、唯一といってよい公式のダイビング事故データといえば、海上保安庁が毎年発表している「レジャーダイビング事故発生状況」です。

そのデータとその解釈ってどうなのよ? 

これが率直な感想なわけですが、ダイビングメディアや大手指導団体PADI、Cカード協議会、DANジャパンなどなど、日本のダイバー世論を形成する主要な組織が、海保のデータを“そのまま”流し、都合よく解釈しているように見えます。

それらの解釈を、プロも含めてダイバーの方も結構そのまま真に受けて……という、ことが毎年繰り返されています。

正直なところ、もうツッコミ飽きて、また、ツッコミを入れることが後ろ向きな気もして、最近はあまり触れずにいました。

しかし、今週の中田さんの記事「表に出るデータは教えてくれない潜水事故の深刻度」で公表した、独自に集計した事故データが興味深かかったのと、影響力の大きいPADIの最近の解釈がミスリードだと思ったこと、具体的な提案が見えてきたことなどの理由で、再度、全力で野暮なツッコミを入れさせていただいた後、前向きな提案をしたいと思います。

事故が増えたぞ!と大騒ぎの2013年
でも、どれだけ根拠があるのよ……という話

2013年、ダイビング界はにわかに「事故が増えたぞ、さぁ大変」と盛り上がりました。
根拠となったのは、2012年の海保のデータ。

スキューバダイビング中の事故発生状況

確かにこれを見ると、2012年(平成24年)の事故者は10年間で最高、死亡者も9人から22人になり、「事故者、急増しています!」ということになります。

しかし、分母のわからないデータ、つまり、ダイバー数がわからないデータに、どれだけの意味があるのか? いや、むしろ、恣意的・意図的な解釈、ミスリードができてしまうのでは? というのが何度も言ってきた、飽きたツッコミです。

わかりやすく言えば、10人のうち1人が死亡事故を起こした翌年、1000人のうち2人が死亡事故を起こしたとして、どっちの方が死亡事故のリスクが高いのかってことです。
極端な話、1人が2人になれば“事故者倍増!”とも言えちゃうわけです。

また、どこまで一定の条件でデータをそろえられているのかイマイチ不明で、まあ、参考程度のデータだよねっていうことです。
しかし、業界やメディアは結構このデータを重用します。

DANジャパンも海上保安庁もメディアもPADIも「急増!」と発信し、SNSやホームページの書き込みの反応を見ると、皆さん、「急増か!」と結構そのままの受け入れているようです。

絶対数が増えたよ! 原因の1位は溺水だよ!
と言われても、それって何も言ってないじゃん、って思うんですよね……。

また、PADIはこのデータから、以下のような指摘をしています。

「傾向として見られるのは、やはり中高年の事故が多いということ。
◆事故者のうち、40歳以上の占める割合は67%
◆40歳以上の事故者のうち、死者・行方不明者の占める割合は54%
◆死者・行方不明者のうち、40歳以上の占める割合は97%
と、事故者数が多いだけでなく、重大な事故につながりやすいという傾向も出ています」

PADI News – 海上保安庁が平成24年度の「レジャーダイビング事故発生状況」を公開

これも分母とダイバーの年齢構成比がわからないことにはねぇ……。
だって、そもそも40歳以上のダイバー人口が多い気がしませんか?

そして、基本的に、雑誌等のダイビングメディアはこうした見解をそのまま流す文化があります。
結果、2013年は「ダイビング事故急増! 大変!」ということで、PADIはセミナーを開催したり、雑誌なんかは「STOP!潜水事故」キャンペーンを張るわけです。

僕が、ブロックの冒頭で「ダイビング界はにわかに『事故が増えたぞ、さぁ大変』だと“盛り上がりました”」と、人の生死に関わることに“盛り上がる”という不謹慎で揶揄するような表現をしたのは、まさに、こうした、官公庁、ダイビング業界、メディアのプロレスのような事故防止施策や報道姿勢こそが不謹慎、いや正確には不誠実に見えるからです。

あざとければまだいいのですが、思考停止、あるいは無自覚な気もするんですが……。

潜水事故というテーマは、人の興味を引きますし、その対策に対する議論は、何かいいことをしている気持ちにもなれるので、誰もがのっかりやすいのだと思います。

“事故減少”より“事故急増!”の方がマシなわけ

たとえ、おかしなデータと解釈でも「事故が増えているぞ」と言っているうちは、まだいいんです。

無自覚だろうが、意識的だろうが、偽善だろうが、危機感は啓蒙を補強するには最適で、実際に事故防止につながるから。
(ただ、そんな根拠の薄いデータでお上から「ダイビング危ないぞ!」って言われるのは、ダイビングに対する風評被害的なリスクもあり、実際、2013年はそうした話や文を多く見聞きした気がします)

しかし、感覚として事故防止の啓蒙をすべき時期と感じてもいたので、冒頭で言ったように「ツッコミを入れることが後ろ向きな気もして」ツッコミはいれませんでしたし、実際、PADIの安全セミナーはとても意義があり、雑誌の事故事例の具体的ケース紹介などは、とても有益だと思います。

また、ふざけたデータだとしても、お上からの「ダイビングは事故が増えているぞ! なんとかしろ!」の声への対策は必要なので、PADIやメディアが防壁となってくれていることには感謝しなくていけません(あくまで業界の人が、です)。

本当は、お上に対して「そんなデータで事故急増とか言うなやボケェ!」とやっていただくのがよいのかもしれず、安全セミナーはアリバイ的に終わってしまう可能性や誰に対して行なうべきものなのかというツッコミも腹の中にはありましたが、グッとこらえ、むしろ前向きな内容で告知をさせていただきました。

悩みましたが、やっぱり、皆で事故をなくそうって前を向いているのにツッコミを入れるのもどうかなと思った結果です。

でも、PADIが、今度は「事故が大きく減少」とか言い出すんですよね……。

良い傾向となっています。PADIでもセミナーなどを通してダイビングの安全啓蒙に力を入れてきましたが、その一翼を担えていたらうれしく思います

PADI News – 海上保安庁が今年1~8月の「レジャーダイビング事故発生状況」を公開!

そーですか……。

いや、確かにそう言える部分はあるかもしれませんし、先述したようにセミナーなどは有意義ですが、業界の先頭を走るPADIは、こんなデータに振り回されることなく、本質に迫っていただき、こうした文章はちょっと恥ずかしいと思っていただきたいんですよね。
期待の裏返しで心底がっかりなんです。

減少って解釈は気をつけなくていけません。
データの不誠実な解釈が、悪い方に出るリスクが生じるからです。
実はまったく改善されていない事故状況が、改善されたという認識を生む可能性があるのです。

もちろん、PADIも「まだまだダイビングの安全について真剣に考えていく必要があります」と言っているのですが、何だかこう、絶対数の、それも同条件で取ったかどうかもわからない数字の、増えたり減ったりに一喜一憂するのってどうなんでしょう。

事故が増えるデータが出た!→官、業界、メディアのスクラムで対策!→事故が減少した!→俺たちのやってきたことで一定の成果を得たぞ!→それでもやっぱり気を引き締めないとね→事故がまた増えたぞ!→以下、永遠に続く……。

そもそもデータの根拠が薄かったら、むなしいスパイラルですよね。

しっかりしたガイドやインストラクター、あるいは一般ダイバーはこうした喧騒とは関係なしに高い意識を持ち続けていらっしゃるのが救いです。

こうしたデータから、危機感をあおられたり、安心感を与えられたりということには、ある種、冷ややかな視点で眺めつつ、安全セミナーや事故情報などなど、自分に役に立つものを利用するというスタンスがベターなんじゃないでしょうか。

中田データと海保データの比較でわかること

海保のデータとその解釈の信頼性という意味で、興味深いデータを提示しておきます。
事故研究をしている連載中の中田さんが、「海保、警察、消防、自治体記録に、直接調査事例を加えて、私が作成したものです」という独自のデータです。

海保データと中田データの、かぶる年の死亡・行方不明者数を比較してみてください。

■中田データ

国内でのダイビング事故統計

■海保データ

スキューバダイビング中の事故発生状況

■死者・行方不明者
・2003年 海保23 中田30
・2004年 海保16 中田19
・2005年 海保14 中田21
・2006年 海保11 中田21
・2007年 海保17 中田24
・2008年 海保18 中田23
・2009年 海保14 中田25
・2010年 海保25 中田32

絶対数も違えば、推移も違い、「減った、増えた」の解釈はまったく違ったものとなります。
残念ながら2012年の中田データはないのですが、あったとしたら果たして急増!になったのかどうか。

中田さん自身も言っていることですが、結局、中田さんのデータも母数がわからないもので、具体的事例を追った結果、蓄積したデータではあるのですが、少なくともデータの取り方によって、見え方はまったく違ってくるというひとつの根拠でしょう。

潜水事故防止にできること

以上のようなことは、随分前から指摘し続けてきましたが、どこか虚しさがありました。
こんな小さい声を出しても届かないしな~という諦めと、「じゃあ、どうすればいいの?」「じゃあ、お前がやればいいじゃねーか」という自身へのツッコミ。

しかし、少なくともネットでは検索でもオーシャナが上位に出てくるようになった今、潜水事故のキーワードで検索した時に、しっかりとした情報を伝えなくてはいけないと思っています。

そして、やはり似た問題意識を持っていれば、人は引き合うものかもしれません。
具体的な取り組みのとっかかりが見えてきました。

※そういえば、昔(2010年)、オーシャナの1人いぬたく君も同じような指摘をブログで書いていました。
「ダイビング事故は増えているのか?」 第11回潜水医学講座レポVol.2 | いぬと海

先述したとおり、中田さんは、「より具体的な内容を」ということで、事故ひとつひとつを調査・研究した結果として、海保より絶対数を積み上げたデータを作成しています。
※結局、絶対数のデータって、把握の問題なので、多い方がマシという……

連載中の高野さんは、「エビデンスが大事」との思いから、大学で統計に基づいた事故の調査を続けています(当たり前ですが、分母のないデータの根拠の薄さを指摘しています)。

こうした人を業界全体で応援して、データの充実を図り、アナウンスしていくことが、誠実な事故防止施策、報道の第一歩だと思うんですよね。

余談ですが、きちんとした統計データの取り組みをしている高野さんのデータでおもしろいと思ったのは、高野さんも、「中高年ダイバーのリスクが高い」という仮説のもと、データを取り始めたのだそうです。
それなのに、データはその仮説を裏付けるようなものではなく、そのアプローチはひとまず公表できなくなりました。
ここに科学の誠実さを感じるのです。
いや、もちろん感覚的には中高年ダイバーのケアはしなくていけないと思いますが、だからといって、データを都合よく使ってしまうのは危険だと思います。

そして、自分たち(オーシャナ)に引いて考えれば、こうしたマクロな取り組みをする人を応援・協力し、現状で全体像がわからないのであれば、具体的なひとつひとつの事故例を表に出したり、深堀り・検証をすることだと思っています。

今週の上野弁護士による事故事例の記事もそうした思いからです。
和解事案が表に出ることは、普通はなかなかありませんので、それだけでも意義あることだと考えます。

ダイビング講習中の事故、和解事例「待機させていた講習生がいない!」 | オーシャナ

そして、「分母を集めるためには」、ということに関しては、以前にも提案しましたが、分母データのひとつのヒントとして、以前、やどかり仙人さんが書いたコラムで、ダイビングの死亡率を表す時の分母として、DAN保険への加入者という実例がありました。

また、入海料や協力金を払うダイビングエリアであれば、ある程度の根拠ある分母となり得るかもしれません。

このテーマの最後に、きちんとした統計データが大事との思いから、行動を起こした高野さんと中田さんの印象に残った言葉を紹介します。

○高野さん

Q.なぜ、身銭を切ってこうした調査・研究をしているのですか?

「インストラクターになりたいと相談を受けた時、はっきり自信を持って“やりなさい”と言えない自分がいた。むしろ、大変だからやめておけばと言う自分がいて、誇りの持てる業界にしたかった。だから、まずはきちんとあらゆることエビデンスを示すことが大事だと思ったのです」

○中田さん

Q.事故情報を集めるためにどんなことをしたのですか?

「努力、および日々の生活と将来の人生設計の低下の受け入れ、ある期間は日常の安心と安寧の犠牲。これだけで、大抵の人は私程度のことはできます。優秀な人がこの程度のことをすれば、私など足元に及ばない成果を上げることでしょう。自分が望むほど優秀でないことに、幾度も唇を噛んだものです」

こうした善意がだんだん表に出てきたのは嬉しいことですが、逆に、こうした人の犠牲でしか前に進めないのは悲しいことですよね。

新しい海の価値を求めて

今週、スリランカにいるオーシャナ代表の越智カメラマンからレポートが届きました。

地球上最大の生物・シロナガスクジラを求めて。スリランカでのリサーチ |オーシャナ
念願が叶って海中でのシロナガスクジラの撮影に成功! |オーシャナ

スリランカのシロナガスクジラ(撮影:越智隆治)

シロナガスクジラを求めて世界の海へ!って、海が好きな少年なら誰もが憧れつつも、なかなかできることじゃありません。
いやー、こんなことしている人と一緒に仕事ができて嬉しいですし、単純にうらやましい。これが、本来の海のメディアの役割ですよね。

こういう冒険的要素はどんどん入れていきたいと思います。

そんな越智カメラマンはよく「俺たち、海賊になるんだ!」って言っているのですが、越智カメラマンと話していると、ワンピースを読んでいる時のようにワクワクしてきます。

そりゃね、本当は、事故のデータがどーのこーのなんて言ってないで、「海なんて死ぬときゃ死ぬのよ! 海賊になってクジラと遊んでシーシェパードと闘って、ロック!」って叫びたい気持ちもあるわけで。

先日、初体験した蛍光ダイビング。
全く新しい海中世界!蛍光ダイビング(フローダイビング)の魅力とは? | オーシャナ

正直、水中で光ることに対して、「で?」みたいに思わなくもなかったわけですが(笑)、やっぱり初めての体験ってだけでワクワクします。

初めての価値を生みだしたり、経験することって、人生の醍醐味。
ダイビングの最初の一歩もそうだったはずで、その後、なかなか劇的に新しいことってありません。

そういう意味では、一度は蛍光ダイビング、ぜひ経験してみてください。

オーシャナは、そんなにお金があるわけじゃないんですが(泣)、今年もすでにお金にならないけどおもしろそう!って取材をいくつか入れちゃいました。

新しい海、価値を求めなければ、海の仕事をやっている意味はないですからね。

と、自分に言い聞かせたところで(笑)、今週はこの辺で。

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「目からウロコの“死なないためのダイビングスキル”セミナー」開催!

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死なないためのダイビングスキルセミナー

2014年3月16日(日)、日本安全潜水教育協会(JCUE)会長の山中康司さん(月刊ダイバーではデューク山中として活躍中)をゲストとして迎え、「目からウロコの“死なないためのダイビングスキル”セミナー」を開催します。

山中康司プロフィール

山中康司プロフィール|ダイビングと海の総合サイト・オーシャナ

先日の山中さんの記事(ダイバーは意外と死なない。でも意外と簡単にも死ぬ~“死なないためのダイビングスキル”連載スタート~)にもありましたが、「人は意外と死なないけど、意外と簡単にも死ぬ」というのが、僕と山中さんの共通の認識です。

どんなに適当に潜っていても、ダイビングでは意外と死にません。
なので、特に深く考えずに潜っても、おそらく大半の人は何事もなく、ず~っと楽しくダイビングを続けることになるのでしょう。

しかし、潜水事故の事例などを読んでいると、「こんなことで死んじゃうの!というか、こんなことって、よくあるよね」ということがほとんど。
いざと言うときに、ほんのちょっとのことで、運命が変わることを思い知らされます。

“死なないためのダイビングスキル”と聞くと、ものすごくハードワークなイメージもしますが、基本的には“気づき”の問題。

山中さんと話していると、「みんな、水面で浮力を得ることの大切さ、わかっているのかな~」とか「あまり講習でやらないんだけど、ストレス対策で有効な方法知ってる? 息ごらえ」など、シンプルで、ハッとさせられるようなこと を教えられます。

セミナーには、どんなダイバーも歓迎ですが、ビギナーや海に少しストレスを感じる人こそ、来ていただきたいと思います。

テーマは固いですが、実は大学のダイビングクラブの先輩・後輩である、共にユルユルな山中さんをゲストスピーカー、聞き手・寺山でお送りしますので、お気軽に参加ください。

目からウロコの“死なないためのダイビングスキル”セミナー 詳細

■内容
実際の事故例や現場でダイバーを見続けてきた視点から、死なないためのダイビングスキルを考える
■スピーカー
ゲストスピーカー:山中康司
聞き手:寺山英樹(オーシャナ編集長)
■日時
2014年3月16日(日)15:30~17:30 
※その後、希望者のみ懇親会
■場所
ハロー貸会議室日本橋人形町
東京都中央区日本橋人形町1-5-12 萬武ビル2階
■参加費
2,000円
※懇親会は別途(4,000円)

直接チケットをご購入される方はこちら

Peatixにてチケットを購入できます。
以下から直接ご購入ください。

以下のPeatixのイベントページからもご購入いただけます。

銀行振込でお支払いされる方はこちら

銀行振込をご希望の場合は、以下からお問い合わせください。

※定員に達した場合は締め切らせていただきますので、お早めにお申し込みください。

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インドネシア・バリでダイビング中の日本人女性7人が行方不明。現地からの情報レポート

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2013年2月14日(金)午後、インドネシアのバリ島の沖に浮かぶ、ヌサ・ペニダ、ヌサ・レンボガン(ヌサとは“島”という意味。二つの島は隣り合っている)の海域で、ダイビングをしていた日本人女性7人が行方不明になったとニュースになっています。

総領事館によると、7人は20~50代の日本人女性。うち2人はバリ島在住のインストラクターで、地元のダイビングショップ「イエロースクーバ」の2人とみられる。他の5人は日本からの観光客で、出身地はそれぞれ異なるという。イエロースクーバにインターネットで申し込んできた。

ダイビング中の日本人女性7人不明 インドネシア・バリ:朝日新聞デジタル

セブ島の群れ(撮影;越智隆治)

問い合わせも多くいただいているので、事故の現場となった海域を取材で潜ったことのある立場から、現地の方に聞いた情報を交えて、現時点(2月15日 17:00)でわかっている情報、可能性をご紹介します。

また、報道機関やダイバーでない方から問い合わせのあったご質問にもお答えしておきます。

ただ、前提として強く強調しておきたいのは、現時点で、事故自体の詳細は何もわかっていないということです。

現場となったヌサ・レンボガンという海域

ひと口にバリと言っても広域で、南北東にダイビングポイントが点在し、行方不明となったヌサ・ペニダ、ヌサ・レンボガンの海域は、バリ島から40~50分に位置する、バリを代表するドリフトポイント(潮に流されながら潜り、浮上するとボートがピックアップするスタイル)。

バリ一番人気のマンボウをはじめ、マンタ、回遊魚などを狙える大物ポイントとして知られ、現場となった「サケナン」はサンゴの美しいダイビングポイントです。

「大物が狙える=潮の流れが速い」という側面があり、時に予想外の強烈な潮が流れることも確かです。
僕もいろいろなところで話していますが、強烈なダウンカレント(海底に引き込まれる潮)に遭遇したのはまさにこの海域です。

ただ、「なぜ、そんなダイビングポイントに潜ったのか?」という問いは早計で、もちろん、潮が弱まる時間帯や場所もあり、そんな潮を読みながら潜るのがこのポイントの定番で、毎日のようにほとんどの場合は事故なく楽しんでいます。

大物ポイント、ドリフトダイビングとは、そうしたリスクを認識した上で潜るダイビングで、もちろん、その分、準備が必要となりますが、その点と照らし合わせてどうだったのか、ということは、現時点ではまったくわかっていないのです。

行方不明の原因。その可能性

なぜ行方不明になったのか? 
その可能性について、現地の話をもとに、現時点での原因を紹介しておきます。

7人がまとめて行方不明ということを考えれば、ダイビング中の予想外のカレントか、浮上後の漂流の可能性が高いでしょうが、はっきりとした答えは時間を待たねばなりません。

可能性として、ヌサ・レンボガン、ヌサ・ぺニダを専門に潜る老舗ダイビングショップのオーナーによれば、確かにこの海域は、時に潮が強烈なことがあるが、今回に関しては、天気の影響ではないだろうか、という指摘がありました。

雨季とはいえ、今年は例年になく天候が不安定で、今回のケースも想定外の急な悪天候により、視界や海況の問題からボートのピックアップができずに流された可能性が高いのでは?ということでした。

現地のローカルガイドも「大雨により、水面の視界が悪く、たとえフロートを上げてもボートに見えなかった可能性がある」と指摘しています。

もちろん、時に「潮が速いと、あっという間にブルーコーナー(ヌサ・レンボガン最北のダイビングポイント)まで流されてしまう」というポイントなので、ダウンカレントの可能性もあるのでしょう。

以上は可能性に過ぎませんが、まずは、ダウンカレントではなく、水面を流され、無事ピックアップされることを祈るのみです。

また、「どういう状況ですか?」「何が原因でしょうか?」と可能性を推論するのはまだしも、「何が悪かったのか?」という“犯人探し”をする段階ではないでしょう。

明日も捜索が続けられるそうです。

■行方不明者のお名前

ミヤタ・リツコさん▽ヤマモト・エミさん▽トミタ・ナホミさん▽モリゾノ・アヤさん▽ヨシノベ・アツミさん▽タカハシ・ショウコさん▽フルカワ・サオリさん

時事ドットコム:不明邦人7人の氏名判明=強い潮流に流される?-バリ島沖でダイビング中

一般からの問い合わせについて

※報道機関やダイバーでない方からいただいたお問い合わせに対する、ごく一般的な説明です。

■ドリフトダイビングって何ですか?

流れのないボートダイビングポイントでは、ボートをアンカリング(動かないように固定)して、ロープを伝って海へ潜り、周辺を潜ってからボートに戻って来るスタイルでダイビングします。

それに対して、ドリフトダイビングとは、潮に流されて(乗って)潜るスタイルで、ダイビング後は水面に浮上し、船が近づいてきてピックアップしてもらうスタイル。

つまり、前者は固定された船を基点に行って帰って来るスタイルで、ドリフトダイビングは潮に乗っているダイバーを船が追いかけてピックアップするスタイルです。

■1日3本のダイビングは普通ですか?

日帰りダイビングの場合、1日2本がデフォルトですが、オプションで3本目を潜ることもごく一般的です。

■インストラクター2名にゲスト5人は適正ですか?

ライセンス(正式にはCカードという認定証)講習では人数比が決まっていますが、すでにダイバーになっている人をガイドする場合は特に決まっていません。

ゲスト5人に対してガイド1人というのも割と一般的で、ゲスト5人に2人のプロというのは一般的には少なくありません。
※もちろん、潜る環境によります。

■女性だけのパーティーは一般的ですか? ブームですか?

特にブームということはないですが、女性だけで潜ることに違和感はまったくありません。
今回の場合、ダイビングショップを経営なさっている二人が女性ということで、ゲストに女性が多い傾向があったのかもしれません。

■年齢が20~50代というのは一般的ですか?

幅広い年齢層が楽しめるのがダイビングです。
違和感はありません。

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バリでの日本人女性7人行方不明、民間のヘリコプターによる捜索へ

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昨日から、インドネシア・バリのヌサ・レンボガン(レンボガン島)海域でスキューバダイビング中だった日本人女性7人が行方不明のままとなっています。

セブ島ボルホーンのビーチ(撮影:越智隆治)

※写真はイメージです。今回の事故とは関係ありません。

昨日、一部報道機関で遺体発見というニュースも巡っていましたが、地元警察は「発見してない」と訂正。

本日、2014年2月16日も朝から捜索が行われています。

現場であるヌサ・レンボガンより北に流されているとしたらすでに陸に流れついている距離ですが、発見されてないということは南に流された可能性もあります。

南の海域には、く広大なインド洋が広がっています。

今日もパタンバイなど北部の沿岸を捜索しつつ、南の海域も捜索されています。
ヘリコプターによる捜索がベストですが、テレビで報道されているほど機能していないという情報も現地からは届いています。

民間機を出せるといいのですが、距離や予算などの事情があり、思うようには飛ばせられていないようです。

ダウンカレントで水底へ…という事故ではなく、水面の漂流であれば、まだ可能性もあります。
3日間の漂流は聞いたことがある事例ですし、今まさに行われている捜索に期待したいところです。

その後の情報で、現地ダイビングショップの有志の皆さんで、可能性のある南の海域に今から民間ヘリを飛ばすという連絡が入りました。
(すでに飛んでいるかもしれません)

時間と予算の限りがあるため、今のところ、2時間半のワンチャンスしかありません。
ぜひ上空から見つかることを祈りたいです。

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