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Channel: 寺山 英樹 | ダイビングと海の総合サイト・オーシャナ
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宮古島の名高い霊場「漲水御嶽」(はりみずうたき)での台風よけ祈願は神様に届くか

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宮古島の霊場「漲水御嶽」

台風23号の直撃を受けた5日、島内は暴風雨。

台風の宮古島の海

台風の宮古島(撮影:越智隆治)

船も陸に上げられ、もちろんダイビングはお休みです。

台風の宮古島(撮影:越智隆治)

しかも、24号が同じルートでやって来ると聞き、「こりゃいかん」と思っていると、Fish a gogo!の佐瀬さんが「ここにお願いすれば大丈夫」と連れていってくれたのが、宮古島で最も格調が高いとされる漲水御嶽(ハリミズウタギ)。

宮古島の霊場「漲水御嶽」(撮影:越智隆治)

神様の降臨する聖なる場所として沖縄の人々に信仰されている御嶽(ウタキ)。
男子不可侵で、むやみに足を踏み入れてはいけない聖域とされていますが、この漲水御嶽は例外で、男性でも観光客でもオープンに祈願することができます。

※御嶽や漲水御嶽については、このサイトによくまとまっています
宮古島一の霊場と蛇婿入り「漲水御嶽」【宮古島】 :日本珍スポット100景

俗的過ぎる裏の話では、「お賽銭は1000円500円以上じゃないと効き目がない」とのこと(笑)。
台風2連発直撃はさすがに辛いので、1000円奮発して(佐瀬さんが)、拝所でそっと手を合わせて24号回避祈願。

宮古島の霊場「漲水御嶽」(撮影:越智隆治)

祈りが神様に届いたのか、24号は直撃コースからスライスし、どうにか海も早めに回復しそうな予感。

宮古島と台風24号
台風情報 – 日本広域 – Yahoo!天気・災害より

漲水御嶽はパワースポットとしても知られているので、皆さんも、台風がなくてもダイビングの合間に、ぜひ足を運んでみてください。

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「2013年何本潜った?2014年何本潜りたい?」アンケート結果発表

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恩納村の海と青空(撮影:越智隆治)

先日のアンケート、「2013年、何本くらい潜りましたか?」の結果が出ました。

Note: There is a poll embedded within this post, please visit the site to participate in this post's poll.

アンケート投稿者の属性がわからない限り、ダイビング本数のデータから見えてくるのは、せいぜい印象程度のものです。

なので、年間ダイビング本数からモデルケースを想像して、そのダイバー像に近づきたいと思います。

オーシャナ読者、潜っている!?

最も多かったのが、11~30本(27%)で、次が31~50本(24%)。
30本以下で考えると35%、50本以下で考えると59%です。

まず、30本ダイバーとはどういうダイバーなのか。

モデルケースで考えてみると、年に一度の大型連休を利用した南国ダイビングで10~15本程度潜りだめして、毎月1回日帰りダイビングに行くか行かないか程度で30本ちょい。
あるいは、年に2~3回の南国ダイビング、あるいは、毎月日帰りダイビング。

ダイビングが趣味って言えるくらいのダイバーでしょうか。

そう考えると、30本以上が65%ですから、世のダイバー、というより、オーシャナ読者は「潜ってるよね~」という印象です。

統計はないですが、Cカード持っているだけというダイバーも相当いるはずですから、11本以上も立派なアクティブダイバーと考えれば実に92%ということになります。

オーシャナ読者、仕事なにしてるの?

次に50本ダイバーのモデルケース。

5ミリのウエットスーツで快適に潜れるシーズン(6か月)だけ伊豆で毎月1~2回の週末ダイビングが基本で、大型連休で1回海外クルーズ、小さい連休で沖縄ダイビング、って感じでしょうか。

完全にダイバーしていますよね。
休日はダイビングを中心に動いている印象です。
そんなダイバー(50本以上)が41%もいます。

では、100本ダイバーはどうでしょうか。

雨にも負けず低水温にも負けず、欠かすことなく毎週潜っておよそ100本。
南国中心で潜っているとしたら、かなり海外旅行に出かけている人でしょう。
ダイビングが中心の人生と言えるかもしれません。

さすがに、100本以上のダイバーは14%ですが、ダイビングを仕事としている自分がだいたい例年100~150本ですから、1割以上“も”いるとも言えます。
150本以上となると、「仕事は何をしているんですか?」と聞きたくなるレベル(笑)。

皆さん、本当によく潜っています。

1年前とほぼ同じ結果のアンケート

ところで、何でしょうこのデジャブ感。

そう、約1年前に聞いた同じアンケートでも、ほとんど同じ結果でした。

Note: There is a poll embedded within this post, please visit the site to participate in this post's poll.

そう考えると、オーシャナを知っているようなアクティブダイバーたちの年間ダイビング本数の分布は、だいたいこんな感じなのかもしれません。

去年より多く潜りたい!?

一方、「2014年は1年間に何本くらい潜りたいですか?」の結果はこちら。

Note: There is a poll embedded within this post, please visit the site to participate in this post's poll.

潜った本数50本以上が4割だったのに対して、潜りたい本数は50本以上が7割。
つまり、去年より多く潜りたいという、まあ当たり前といえば当たり前の結果です。

ただ、潜った本数と潜りたい本数の分布を見比べると、潜りたい本数の方が、ひとつずつレイヤーがズレて高めという印象です。

30本だった人は50本、80本だった人は100本というように、割と現実的な線での願望が見えてきて、切実に海を求めているのをヒシヒシ感じます。

皆さんが、去年よりちょっと多めに海を楽しめますように。

おまけ

独断と偏見で、ダイバーの本数に対するダイバー像をまとめてみました。

■10本以下 にわかダイバー
■30本  ダイビングが趣味 (モテる)
■50本  ダイビングに夢中
■100本 海と共に生きている (モテる)
■150本 変態です
■200本 ド変態です! (モテる)
■300本以上 廃人

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「結婚相手はダイバーがいい」が7割以上~今週の編集長・多事総論~

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セブ島のサンゴと魚の群れ(撮影:越智隆治)

ダイビングは最高の出会いの場!?

2014年からスタートしたマンスリーイベント&セミナー。
1月の統計から見るセミナーとはガラッと趣を変えて、2月は“ダイバー出会いパーティー”を企画、募集しました。

この企画をぜひやりたいと思ったのは、以前行ったアンケートの結果が頭にこびりついていたからです。

Q.結婚相手はダイバーがいいですか? 366人

■絶対にダイバー    34人(9%)
■できればダイバー  246人(67%)
■どちらでも      72人(20%)
■できればノンダイバー 10人(3%)
■絶対にダイバーは嫌  4人(1%)

結婚相手にダイバーが良いと考えているダイバーは実に76%!
当時、個人的には「できればダイバーじゃない方がいいな~」と思っていたこともあって驚きました。

“どちらでも”という方はダイバーでも良いというわけなので、そう考えると96%。
ダイビングはまさに出会いの場として最高、と思うわけです。

実際、イベントやツアーを開催すると、知らぬ間にカップルが誕生し、婚姻届けの保証人になったことも1回や2回ではありません。
そういえば、オーシャナスタッフの既婚者たちも、海やダイビングを通じて知り合っています。

こんな素敵なエピソードだって。
残圧20の水中プロポーズ | オーシャナ

同じ趣味を持ち、仲睦まじく潜っている彼らを見ていると、嬉しい気持ちになってきます(心のコンディションによっては、チッって舌打ちすることもありますが・笑)。

海だと“出会わない”謎

しかし、実は海での出会いで、交際まで発展するケースは、需要ほどは多くないような気がします。

なぜでしょうか?
ヒントとなる、これまた驚きだったアンケート結果があります。

先ほどの結婚相手は…のアンケートが僕の頭にはこびりついていたので、「ダイビングって出会いだよね」と思っていました。

しかし、「あなたにとってダイビングの楽しみ(魅力)はなんですか?」というアンケートをしたところ、出会いはたったの3%。

ええっ! と驚き、自分なりに分析したところ、そうか、「海では、出会いが1番の目的ではない」ということに気が付きました。

複数選択できるアンケートなら、ダイビングの楽しみの中に出会いも入ってくるかもしれませんが、やはり目的は海。
女性ダイバーの中には、「自分は海を楽しみたいだけなのに、異性を求めてガツガツする人は嫌」という人も少なからずいます。

では、どうしたらよいのか?
海ではないところで、“出会いを一番の目的に”しちゃえばいいのではなかろうかと。

それなら、オフ会や飲み会でいいのでは?

確かに、飲み会でカップルになる人もいますが、“自然の流れで”、“結果として”とオフ会に参加しても、自然の流れで海の話で盛り上がり、結果としてボッチで帰るダイバーさんが後を絶ちません(笑)。

出会いを求めていても、なかなかその気持ちを表明はしづらくて、つい“自分は出会いなんて求めてない”とすかしてしまったり、積極的になれなかったりしてしまいます。

では、どうしたらよいのか?
“目的を明確に出会い”にしちゃえばいいのではなかろうかと。

ということで、出会いという目的を明確に、そして一番の目的にしたイベントを開催しようと、ダイバー出会いパーティーと相成ったわけです。

あっちへ行くと女性ダイバーから「素敵な男性ダイバーいないのかしら?」と言われ、こっちへ来れば男性ダイバーから「素敵な女性ダイバーどこにいるの?」と言われ、心の中で「この人たちが出会えばいいのに」と思うことも多いのですが、こうした単なるミスマッチみたない人にもこのパーティーは最適です。

やはり需要もあるようで、告知したところ、あっという間に定員になりました。

こうしたパーティーの一番のハードルは、申し込むこと。
つまり、申し込むということは、気恥ずかしさから、海やオフ会ではなかなか表明しづらい“出会いたい”という気持ちを表明すること。

しかし、逆に言えば、申し込んでさえしまえば、目的ははっきりしていますし、一般的な出会いパーティーとは違って皆ダイバー。
そもそも皆、同じクラスタですから、コミュニケーションもとりやすい。
合コンなんかより、かなり、“あとちょっと感”がありますよね。

以前、同じようなパーティーをしたときは、12組中7組のカップル誕生という高確率でしたが、今回も良い出会いとなって、幸せなダイバーカップルが誕生してくれると嬉しい限りです。

客観的なデータの重要性

今週の「データでわかるダイビングの本音と建て前」では、高野さんの研究内容の一端が紹介されました。

ヒヤリ・ハット体験がないのはプロダイバー1%、一般ダイバー27%。その差とは? | オーシャナ
※コメント欄にも貴重な情報が掲載されています。

事故の事例を調べることはもちろん大事ですが、1つの事故の裏に隠されている300のヒヤリ・ハットの方に注目し、統計に基づいた調査・分析をして安全潜水につなげるという高野さんの存在はとても貴重です。

2014年1月25日開催の高野さんのセミナーの打合せで、それらのデータを見せていただいたのですが、興味深いデータばかり。
いろいろ読み解けそうです。

例えば、ダイビング事故の原因では“はぐれる”が多いのですが、Cカード講習の内容に関するアンケート調査では、インストラクター、講習生ともに、はぐれたときの対処スキルが十分でないと感じたまま送り出されているのでは? ということが見えてきたりします。

こうした客観的なデータを集め、調査・分析を行っているのは高野さんしかいないので、今後、研究の根幹となる、データの収集の際には、ダイバーの皆さまもぜひ協力をお願いします。

2014年1月25日開催「データでわかるダイビングの本年と建て前」

今週から始まった連載“オーバーホールの現場から”にあった、高尾さんの言葉、「器材は見えないからこそ伝えねばならない」は印象的です。

高尾さんに連載を頼んだとき、「私はダイバーに知られた存在でもないし、誇れる経歴もないし…」と謙遜していたのですが、僕が彼女に書いていただきたいと思ったのは、言葉と行動に説得力があるから。
まっすぐ誠実に正論をぶつけ、行動しているからカッコいいんですよね。

現場で、いわゆる手抜きのようなオーバーホールを目にして、「波風立てないように」とか「オーバーホールの印象が悪くなる」となりがちなところを、むしろ伝えて説明することによって変えようとする姿勢。

器材そのものに関しても、「どうせ中は見えないし」「言ってもわからないし」とは逆に、見えないからこそ伝えるという姿勢。

こういう姿勢は、他のすべてに当てはまるのかもしれません。
Cカード講習だって、これからダイビングを始める人にはまったくの未知数。
わからないからこそ、誠実に伝えなければいけないということでしょう。

そして、伝えている人の声を拾って、皆様にお届けするのがオーシャナの役目です。

その他いろいろ気になったこと

■免責同意書
免責同意書って意味あるの?」を読んだダイバーから、「今度は海外の場合も知りたいです」と言われました。

なるほど、言われてみれば、海外の陪審員制では、心象に大きな意味を持つので免責同意書のポジションも変わってきそうです。
これは気になるテーマです。

■辺野古
今話題の辺野古の海を撮り続けているカメラマン・中村卓哉さんと飲む。
政治や利権の絡む複雑な現場ですから、発言も慎重です。
埋め立てに反対も賛成も言いません。ただ、「一緒に潜ろう」と。
酔うにつれ、卓ちゃんの本音もチラリ……。
とにかく潜ってみようと思ったのでした。

ニコンvsキャノン、トリミング、レンズ、レタッチ、いろいろ深い話を聞けておもしろかったな~。
皆さんにも聞いて欲しいと思ったのでいずれ。

■M値
オーシャナで連載中の山中さんとやどかり仙人とお茶をしながら、22日にあるセミナーの打合せ。

お二人がおっしゃっていたことで印象的だったのは、「M値がわかっていないイントラはイントラじゃない」。
イントラの皆さん、M値大丈夫ですか? 僕はギリギリです(笑)

今週はこの辺で。
では、また来週!

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海への落とし物はガイドが拾うのが当たり前?再潜降で減圧症になるケースも

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とある南の島のダイビングガイドAさんから、こんなお悩みをいただきました。

「最近、考えさせられることがあります。“ゲストが海に何かを落としたときに、ガイドやスタッフがどこまで取りに行くか?”ということです。エキジットの時にカメラ、トーチ(ライト)、中にはフィンを落とすゲストもいらっしゃいます。結構そういうときのゲストは“ガイドさん、拾ってきて”と思われているようです」

実は、この話はとってもよく聞く、ダイビングガイド“あるある”です。

「え?それくらい取ってきてくれればいいのに…」と思う方もいるかもしれませんが、これ、結構リスクが伴います。

セブ島のボート(撮影:越智隆治)

ガイドにとって減圧症のリスクが高い再潜降

Kさんのお話の続きです。

「以前、ローカルガイドが、エグジット直後に、ゲストのコンピューターを拾いに50mまで潜ってしまって即ベンズ。それ以降、後遺症が残り、今は潜っていません。もちろん、50mは行き過ぎですが…」
.
これは極端な例ですが、浅いからといって安心はできません。
むしろ、水面からの浅い水深の方が、水圧変化が大きいので、たったの10mだからと言って、窒素たっぷりの体での再潜降はリスクが伴います。

「カメラはとても高価なものです。でもウェイトまでつけて沈むタイプのカメラなどは、あっという間に沈んでいきます。まだ沈んでいる最中、あるいは水底など、見える深さにある場合、ゲストの期待と、自分のセーフティーの間で悩みます」

多かれ少なかれ、ガイドにはこうした場面があるのではないでしょうか。

正解はありません。

いや、もちろん、安全上の問題から言えば、行かない方がいいですし、ルール化するのもありでしょう。

また、責任の所在を明らかにしておくために、事前に文書化するのもひとつの案です。
時代はそういう方向へ向かっていますし、これはこれでありだとも思います。

しかし、困っているゲストを手助けしてあげたいのもまたガイドの本音ですし、“取りに行きませんから”というルールは世知辛いという考え方もあるでしょう。

少し話は変わりますが、船上からカメラをピックアップしたスタッフが、カメラを置く際に壊してしまいゲストが「弁償しろ!」大激怒。

以来、ブリーフィングで「カメラが壊れても責任は…」といった説明をしていたお店もありましたが、そういう背景を知らないゲストはちょっとモヤモヤっとするかもしれません。

個人的には、何か落としたら、僕は自分で取りにいきます。
ただ、それができる人ばかりではないでしょうし、環境上、難しいこともあるでしょう。

もし、拾いに行っていただけたのであれば感謝し、「難しい」と言われたら諦めるしかありません。
少なくとも、文句を言う筋合いのものではありません。
※もちろん、明らかにガイドが原因で落とした場合は別の話になりますが…

いずれにせよ、まずは、海の落とし物を探して拾いに行くことに、リスクがあることを知り、ガイドが拾いに行くことが“当たり前ではない”と知ることが大事なのでしょう。

話はそこからです。

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ダイバーが知っておくべき“ダイビング業界の問題点と自己責任”。セミナー内容決定!

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オーシャナのマンスリーイベント、2014年1月25日(土)開催の「データでわかるダイビングの本音と建て前」。

講師となる高野修さんの資料を見せていただきましたが、とても興味深いデータばかりです。

セブ島のダイバーのシルエット(撮影:越智隆治

例えば、下のアンケートは、インストラクターが思う、講習生の技術項目の習熟度(画像をクリックすると拡大されます)。

赤字で囲ってあるのは、習熟度が“高い”より“低い”が上回った項目で、ナビゲーション、計画立案、バディ潜水の3つ。

ダイビングの本音と建て前セミナー

つまり、インストラクターは、講習が終わっても、講習生がダイビングを計画して、バディ潜水をすることに不安を感じている、ということでしょう。

“Cカード取得=バディ潜水ができる”を根底から揺るがすと同時に、他のデータでは、インストラクターのジレンマも読み取ることができます。

何かがおかしい。
何がおかしいのか?
おかしいとどうなってしまうのか?

そんなことを考えたいと思います。

また、高野さんは、Cカード講習のカリキュラムを提供している指導団体、インストラクターやガイド、講習生・ゲストの間に、認識の差・隙間があると指摘します。

ダイビングの本音と建て前セミナー

その隙間とは何なのか? 埋めるためにはどうしたらよいのか?
一度、ダイビングを取り巻く環境を俯瞰して確認し、安全に楽しく潜る方法を考えたいと思います。

以下、主な内容です。

  • 1.ダイビング業界の実態・問題点
    →習熟度が足りないまま海に出される実態
  • 2.事故・ヒヤリハット分析から見えてくること
    →はぐれるなどが多い。しかし、講習ではその対応が不十分
  • 3.自己責任について
    →イントラとダイバーの自己責任、管理責任の意識
  • 4.業界がすべきこと、ダイバーにできること
    →事故の予防のため

興味がある方は、まだ間に合いますので、ぜひご参加ください!

Peatixからも直接チケットをご購入できます

Peatix以外でのお申込みやイベント詳細はこちらから

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小学生から関西ダイバー、セミナーまで、出会いの一週間~今週の編集長・多事総論~

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倉敷でのオーシャナ講演会

今週は、出会いの一週間でした。

2013年1月19~21日は岡山県の倉敷で4つの講演、その後、大阪に立ち寄り、ダイビングショップの方と懇親会、東京に戻って1月25日(土)はセミナー、そして本日1月26日(日)は同世代のガイドやダイバーさんと懇親会です。

新鮮だった、ノンダイバー対象の講演

倉敷の講演は、老舗旅館のゲストたち、小学生、婦人会など、ダイバーでない方を前に世界の海や東北の海の話をさせていただきました。
ダイバーを前に話すことはちょくちょくありますが、ノンダイバーを前に話すというのは初めての経験。

どんな反応があるのか楽しみでもあり、不安でもあったのですが、渦巻くギンガメアジ、光とブルーのロタホール、可愛い海獣たち、などなど、今まで見たこともない美しく迫力ある写真に、皆さん、とても目を輝かせ、食い入るように見つめていました。
越智カメラマンの写真がどれも素晴らしいので、僕はキャプションみたいな役割です(笑)。

新鮮だったのは、皆さんの反応する写真。
ダイバーの皆さんとは若干違うんですよね。

自分のようにそこそこいろんなところを潜っていると、どれも見慣れてしまっているのですが、ダイバーでない方にとっては驚きのシーン。
彼らが驚いたり、喜ぶところを見て、初心を思い出したのでした。

皆さんの反応が大きかったのはやっぱりサメ。
怖いというイメージがまだまだありますから、こんなに近づけると知って驚いたようです。

バハマのタイガーシャーク

伊豆の写真を見て、「きれ~い」と言っていただいたのは嬉しかった。
実は身近な日本の海にも素晴らしい海がたくさんあることは、いろんな人に知って欲しいですね。

八幡野の海(撮影:越智隆治)

岩手のサケのシーンも印象的だったようです。
放精という貴重な瞬間ということもさることながら、震災直後の瓦礫の川をダイバーたちが撤去してからの遡上、というドラマ自体に思うところがあったのかもしれません。

岩手県のサケの産卵(撮影:越智隆治)

あとは、一応、お笑い要素として入れておいた水中ヌードは完全にスベリました。
なんか、写真に写っている某ガイドさんがすべったみたいになってしまって、ごめんなさい…。

水中ヌード

僕らオーシャナのポリシーに、「ダイビングと海の楽しさを多くの人に」「ダイビング人口の増加」というものがありますが、そのためにはダイバーでない方への情報発信が大事。

そして、水中写真や水中世界のエピソードが、老若男女問わず、訴えかける力を持つことを実感したので、今後もこうした活動はしていきたいと思います。

特に小学生たちが目をキラキラさせて、「ダイビングやってみたい!」と言ってくれたのは嬉しかった。
子供たちは、この体験はすぐに忘れてしまうでしょうが、きっと心の中に芽が残り、いつか大人になったときの海へのきっかけになれば嬉しいです。

関東ダイバーと関西ダイバーの違いなど
大阪のダイビングショップの皆さんと

岡山の次は大阪へ。
ダイビングショップの方たちと懇親会を開催。

大阪のダイビングショップとの懇親会

ひと世代前にはショップ同士の横の連携はほとんどなかったそうですが、ダイビング界の盛り上げや危機感もあって、若いショップオーナーを中心にまとまる動きがあるようです。

都市型のダイビングショップは、その物販や囲い込みへの意識の高さに、時に否定的な意見も出ますが、その存在意義とやるべきことは、先日の連載記事での田原さんの言葉に集約されています。

「私は、ダイバーの継続的な成長、継続教育、あるいは、個々の個性を把握したインストラクターによる個々に合わせた対応という部分で、都市型のダイビングショップの存在に大きな意味を感じます」

「従って、都市型のダイブショップ(ただし、マインドもレベルも、共に高いことがマストですが)の存在が難しくなる環境は、ダイビング自体、ダイビング市場の健全な発展にはマイナス要素になるような気がしてなりません」

中心メンバーの河本さんは、「インストラクターの地位の向上」を目指し、皆で勉強し、まとまって行動することの大切さを強調していました。

今後の動きに注目したいと思います。

ところで、関西ダイバーと関東ダイバーの違いがおもしろかった。

まず、関西ダイバーは、嫌なことはキッパリ断るという話。
例えば、海に行って、1本目でテンション下がっても、関東ではいろいろ空気を読んで2本目も行くことが多いのに対して、関西ではきっぱりと「疲れたからパス」(笑)。

逆に、いくら説明してもその目で確かめないとなかなかあきらめないという話も。
例えば、関東では、ツアーに行って海況が悪かったら、イントラから説明すれば「仕方ない」とあきらめるところを、関西では、とりあえず海に出て、「なっ?」と潜れないことを確認させないと納得しないとか。

僕も取材で写真への写り込みを頼むとき、伊豆では「いや、自分はいいです…」とか周りに様子を見て何とか写真に写ってくれることが多いのですが、関西だとあっという間(笑)。
「事務所通してや~」「全国デビューや」「毛穴修正しといて~」みたいなノリで、違う文化圏だな~としみじみ思ったものです。

あと、関西ショップの皆さん、オシャレでイケメンぞろい。
海が商品の現地ガイドと違って、より自分自身が商品ということを意識していて、「まずはイントラがかっこよくないとあかん」と自分を磨いている印象です。
イントラがモテるのは、いいことですね。

セミナーで実感した
データの大切さ、分母の大切さ

オーシャナで連載中の高野さんによるセミナー「データでわかるダイビングの本音と建て前」。

「データでわかるダイビングの本音と建て前」セミナー

「インストラクターも習熟度が低いと思ったままCカードを発行している」とか「“はぐれる”がヒヤリハットの一番だが、はぐれた時の適切な対処を意外と知らない」など、いろいろな課題が見えてきました。

高野さんの活動の意義は、内容もさることながら、皆が「何となくそうだろうな」とモヤモヤ思っていることにくっくりと輪郭を与えてくれること。

どんなことでも、エビデンスを示して証明することが大事ですが、統計に基づいて、ダイビング界でこうしたデータ研究をやっているのは高野さんだけ。

しかも、その研究は一銭にもならず、むしろ安くはない学費はもちろん自腹。
では、なぜやっているのか?

「インストラクターになりたいと相談を受けた時、はっきり自信を持って“やりなさい”と言えない自分がいた。むしろ、大変だからやめておけばと言う自分がいて、誇りの持てる業界にしたかった」という志から始めた研究なのです。

今後も研究のためにダイバーやイントラ・ガイドの協力は不可欠なので、ぜひ皆で協力したいですね。

こうしたダイビング事故や減圧症などに関するデータでいつも問題になっていたのが、データの分母。

例えば、海上保安庁の事故データで件数だけわかっても、分母(つまりダイビング本数や人口など)がわからなければ、増えたも減ったもへったくれもないわけで、減圧症も同じです。
高野さんもそうしたデータの充実をライフワークにしていきたいとおっしゃっているので、本当にがんばっていただきたいです。

ひとつのヒントとして、以前、やどかり仙人さんが書いたコラムで、ダイビングの死亡率を表す時の分母として、DAN保険への加入者という実例がありました。
また、入海料や協力金を払うダイビングエリアであれば、ある程度の根拠ある分母となり得るかもしれません。

画期的だった“息語らえ”
~今週の連載より~

今週の連載で感動したのが、山中さんの息ごらえの話。
潜降できないダイバー必見!息こらえでオーバーウェイトを解消できる理由 | オーシャナ

講習時やダイビング前に息ごらえをすると、ストレス耐性が増え、潜降もしやすくなるという話は画期的でした。
講習で採り入れようと思うインストラクターもいるのではないでしょうか。

減圧症の再圧治療の現場はあまり目に触れることがありませんでしたが、恭子さんの連載で、装置を公開してくださいました。
減圧症治療の流れと装置を公開!再圧治療ができる施設が全国に少ないわけ | オーシャナ

さらに、自分が入っているお茶目な写真まであり、何だか、冷蔵庫に入って問題になったコンビニバイトを連想しちゃいました(笑)。
高気圧治療というとハードなイメージがありますが、現場の様子がわかると親近感もわいて、距離がぐっと縮まりますよね。

高気圧酸素治療装置

反響が大きかったのが、海への落とし物を拾うことへのガイドのためらい。
海への落とし物はガイドが拾うのが当たり前?再潜降で減圧症になるケースも | オーシャナ

きっと多くの人が思っていたことだったのでしょう。

コメントにもありましたが、あの記事の後、若手ガイドのアンカーがけの問題の指摘もいただきました。
いずれご紹介します。

ガイド、イントラ、ダイバー問わず、現場からの声はなるべくご紹介したいので、ぜひ気軽にメールくださいね。
お問い合わせ | オーシャナ

市長選で揺れる辺野古の海

名護の市長選で基地移転反対派の当選により、メディアでも多く取り上げられた辺野古。

思わず、辺野古・大浦湾を見つめ続けてきた、第一人者のカメラマンの中村卓哉君の顔が頭に浮かびました。

複雑な政治的背景を持ち、いろいろな利権が絡み、得体のしれない団体が跋扈する世界ですから、卓ちゃんも発言はとても慎重で、埋め立てに反対とも賛成とも軽はずみには言いません。

彼の名著「わすれたくない海のこと
」は反対派の根拠に使われることもあるようですが、プロバガンダに使われることには複雑な思いを抱き、一定の距離を置いているように見えます。

現場に行ったことすらない僕は、距離感をはかりながら慎重に発言せざるをなく、「外交上の問題もあるし、なかなか難しいよね」と当たり障りのないことを言うと、「なんでよりによって辺野古なんだろ…」とポツリ。

卓ちゃんによれば、辺野古・大浦湾は、沖縄の中でも特別な海で、森と海がつながった生物の多様性の海で、まさに地球の生命の循環の縮図なんだとか。
「とにかく見て欲しい」ということで、今年、なんとか潜りたいと思っています。

潜っても埋め立ての是非に対する結論は簡単には出ないと思いますが、もし、埋め立てることがゆるぎないとしても、失う代償の大きさ・痛みを知ることには意義があるはずです。

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グレートバリアリーフを洋上ステイで楽しむダイビングスタイル

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DEEP SEA DIVERS DEN(撮影:越智隆治)

グレートバリアリーフ潜り歩き第二弾は、DEEP SEA DIVERS DEN(ディープシーダイバーズデン)が開催しているオーバーナイトクルーズ。

通常のクルーズは、船で寝泊まりして、移動しながら潜るというスタイルですが、こちらは、特定の海域に停泊している宿泊船に乗り込み、その周辺ポイントを楽しむスタイル。
わかりやすく言えば、洋上にホテルがあって、好きな時に行って、好きな時に帰れるというスタイルです。

朝、デイトリップ(日帰りダイビング)のゲストと一緒にシークエスト号に乗り込み、ケアンズから行ける最北のノーマンリーフへ。


大きな地図で見る

デイトリップ船のシークエスト号(撮影:越智隆治)

デイトリップ船のシークエスト号

DEEP SEA DIVERS DEN(撮影:越智隆治)

ブリーフィングはイングリッシュと日本語とに分かれて行われる

午前と午後、デイトリップのゲストと一緒に2本ダイビング。

オーストラリアのデイトリップ(撮影:越智隆治)

デイトリップでは、体験ダイビングや講習も人気

14:30ごろ、宿泊船に乗り移り、ここからいよいよ洋上ステイのスタート!

DEEP SEA DIVERS DEN(撮影:越智隆治)

デイトリップボートから宿泊船に乗り換える

この後、ダイビングを1本、ナイトダイビングを1本楽しむことができ、初日から4本ダイビングが可能です。

明日からは、ノーマンリーフ付近をバディ潜水で自由気ままに楽しむ予定ですが、僕たちが潜る3日間がここ最近で一番の悪天候という予報…。

晴れることを願いつつ、グレートバリアリーフの洋上からレポートしたいと思います。

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一緒に自分撮りできるナポレオンのウォーリー~バディ潜水で気ままに潜るGBR~

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ノーマンリーフのアイドルといえば、ナポレオン(メガネモチノウオ)のウォーリー君。
ということで、「とりあえず、”ウォーリーを探せ!”ってことで1本潜りましょう」とエントリーすると……

3秒で登場!

グレートバリアリーフのナポレオン・ウォーリー(撮影:越智隆治)

エントリー直後、寄って来るナポレオン

探す必要がありません……。

「餌付けしていないのに、向こうから寄ってくるんですよ」との前情報もありましたが、がっつり餌付けされとるがな!(笑)

ということで、こうなると、もうペットのようなもの。

こんなに近づけて、

グレートバリアリーフのナポレオン・ウォーリー

真正面からだって撮れるし、

グレートバリアリーフのナポレオン・ウォーリー(撮影:越智隆治)

自分撮りだって。

グレートバリアリーフのナポレオン・ウォーリー(撮影:越智隆治)

数匹のナポレオンがいて、すべてウォーリー君だという説と、小さいやつはチャーリーで大きくなるとウォーリーになるという説があります。

ダイビングしている間、ちょっと小さめなチャーリー君がずっとついてきて、最初のうちは「可愛いやつだな~」なんて思っていましたが、エサをくれないからか、何か気に食わないのか、はたまたツッコミの練習でもしているのか、ことあるごとに僕の頭をはたきます。
ついには、ウォーリー君までやってきてペチッ……。
僕が一体何をしたというのでしょうか。

なんでやねん!

グレートバリアリーフのナポレオン・ウォーリー(撮影:越智隆治)

バディ潜水のはずが、チャーリー君のほか、ハマフエフキみたいない魚もずっと一緒で、何だかグループダイビングをしているようでした。

でも、あいつら、残圧もDECOも気にしないし、バディとしては頼りないかも。

グレートバリアリーフのナポレオン

自分撮りする越智カメラマン

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「ニモはカクレクマノミ?」を本場グレートバリアリーフの海で考える

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グレートバリアリーフでイースタンクラウンアネモネフィッシュを前にして思い浮かぶのは、やっぱり、ニモ!

GBRイークラウンアネモネフィッシュ(撮影:越智隆治)

GBRで撮影したイースタンクラウンアネモネフィッシュ

グレートバリアリーフを舞台としたディズニー映画「ファインディング・ニモ」。

「ファインディング・ニモ」のニモ
ニモ(カクレクマノミ) | ファインディング・ニモ | ディズニーキャラクターより

映画の影響で、ダイバーの間でも、すっかりカクレクマノミのことをニモという愛称で呼ぶことが定着し、逆に「ニモはね、本当はカクレクマノミではく、イースタンクラウンアネモネフィッシュなんだよ。ふふふ」とダイバーがうんちくを垂れることのできる数少ない機会にもなっています。

映画の話もよく話題になっていましたが、僕はだんまりを決め込んでいました。
なぜなら…映画を見ていないから!(>_<)

ダイバーなのに、最近まで、「ファイティング・ニモ」だと思っていて、なんか戦うんかな、ぐらいにしか思っていなくてすいません。

ニモはカクレクマノミなのか、イースタンクラウンアネモネフィッシュなのか。

ネットやこれまで聞いた意見を参考に、映画を見てもいないくせにどっちなのか考えてみたいと思います。

うっかりなのか、わかりやすくするためか…

そもそもの議論の発端は、「ファインディング・ニモ」の公式サイトが「ニモはカクレクマノミ」という説明をしたことにあるようです。

グレートバリアリーフが舞台だし、オレンジが濃く、バンドの黒縁が太いなど、ニモそのものであるイースタンクラウンアネモネフィッシュがニモだと説明しておけば丸くおさまっていたのに、どういうわけかカクレクマノミと説明してしまったようです。

カクレクマノミ。白い横縞に黒縁がない

カクレクマノミ。白い横縞に黒縁がない

しかし、うっかり間違えたのか、わかりやすくしようと思ったのかは微妙です。
さりげなく訂正したという情報もあるようで、うっかり間違いを支持する人もいるようですが、僕はわかりやすくしたい&どうでもよかったんじゃないかと思います。

アリゲーターでもクロコダイルでも、なんか、ワニだし的な。

英名の曖昧さと和名のエアポケット

勝手な想像ですが、イースタン・クラウンアネモネフィッシュだと長いしわかりづらい。
なので、英名がウエスタン・クラウンアネモネフィッシュのカクレクマノミも同じクラウンアネモネフィッシュだし、「ま、カクレクマノミでいっか!」と発表したら、思った以上にツッコミが入り、「うるせーなー。どっちでもええやん」的に直したのではないでしょうか。

そもそも、魚の英名っていい加減なうえに、イースタンクラウンアネモネフィッシュに和名がなかったのが災いしたのでしょう。

実際、英語圏では、ざっくりクラウンアネモネフィッシュってことで、何ら問題になっていませんからね。
クラウン=ピエロで、映画の中でも「クマノミは笑わせるのが得意」といった会話も出てくるそうなので、クラウンアネモネフィッシュを意識していることは間違いないのでしょう。

英名では同じクラウンアネモネフィッシュだけど、学名では別種で、和名が片方しかない。
だったら、カクレクマノミでいいんじゃないかと思えてきます。

カクレクマノミでもいいんじゃない?

それでも、いろんなところから大人げないツッコミがはいりまくったようです。

ダイバーにもおなじみの魚類の分類学の権威、瀬能宏先生まで登場しちゃって、「映画の『ファインディング・ニモ』はカクレクマノミ(Amphiprion ocellaris)がモデルではありません。よく似た別種のクラウンフィッシュあるいはクラウンアネモネフィッシュ(Amphiprion percula)がモデルです。つまり、『ニモ』とカクレクマノミは分類学的には別種として扱われています」とばっさり(笑)。

学名レベルでは違う種であり、背びれの数も違うといった身もふたもない話も出てきて、フルボッコなのです。

でも、それはあくまで学問上の話であり、種は違っても大きくは同じ仲間だし、日本人にはわかりやすく、沖縄とかで会えたらテンション上がるし、カクレクマノミってことでいいのではないでしょうか?

ダイビングを題材にして大ヒットした映画「彼女が水着にきがえたら」のロケでも湘南の海にエントリーしたらそこはケラマになるわけです。

「ファインディング・ニモ」では、お母さんが死ぬお話も出てくるそうですが、そもそもクマノミは性転換したり、親子で住む習性がなかったりするので、あまり厳密になってしまうと、お母さんが死んだら、ある日突然、タイで工事を済ませたお父さんが「今日からパパがお母さんだよ」とカミングアウトしたり、親だと思ってたのに実は血がつながっていなかった、みたいな複雑過ぎる家庭事情を描かなくてはならなくなります。

クマノミの大人と子ども(撮影:越智隆治)

大小のクマノミは親子に見えるが、基本的に親子で住む習性はない

さらに、そこまで映画のキャラで分類にこだわるなら、人間みたいな表情をして会話までできるニモはカクレクマノミかどうかというより、ミュータントか化け物かって話。

そうすると、映画自体も遺伝子異常の魚が主役の、海洋汚染のメタファー映画のような気すらしてきます。

ということで、僕の中では、“カクレクマノミ≒ニモ”といった感じで、ニモのモデルは? と聞かれれば「イースタンクラウンアネモネフィッシュだよ」とカクレクマノミの小話も交えて答えますが、誰かがカクレクマノミを見て「ニモだよ!」と説明していても、まあ、カクレクマノミもニモだよなってことで野暮なツッコミはいれないことにして、ビギナーの女性ダイバーに格好つけたいときは、さりげなく、イースタンでクラウンなうんちくを垂れ、ワールドワイドな海な男を印象付けようと思います。

でも、ニモってことで、沖縄あたりでカクレクマノミの乱獲が話題になっていましたが、そういう人には「ニモじゃないよーだ!」って言ってやります。

撮影協力:ディープシーダイバーズデン

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サメとロウニンアジが眼前を飛び交う!GBRの衝撃ナイトダイビング

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グレートバリアリーフのナイトダイビング(撮影:越智隆治)

先日、こんなナイトダイビング、経験したことない!と興奮のレポートをお届けしましたが、やっぱりグレートバリアリーフ(GBR)のナイトはすごい!

グレートバリアリーフのナイトダイビング(撮影:越智隆治)

ナイトダイビングの時間になりデッキに降りて海を見ると、宿泊船の光を求めてすでに魚たちが集まっています。
バシャバシャと音を立てて捕食を始めている魚たちの間を、スーッと水を切り裂くようにクールに泳ぐ影が無数。

サメ!

ダイバーでない人が見たら絶対に飛び込みたくない海ですが、ダイバーたちはもちろん「ひゃほー!」と興奮しながら次々にエントリー。

明るいバックデッキ付近はすでに回遊魚たちがプランクトンにアタックを繰り返す狂乱の世界で、その周りを無数のグレイリーフシャークやホワイトチップシャークが遠巻きに様子をうかがいつつ、ヒットアンドアウェイを繰り返します。

グレートバリアリーフのナイトダイビング(撮影:越智隆治)

グレートバリアリーフのナイトダイビング(撮影:越智隆治)

ブラックバックの中、ライトに浮かび上がるサメの姿はクール。
そして、日中のダイビングより間近で見られるので迫力満点です。

ロープを伝って潜降すると、闇夜にまぎれる忍者にように、編隊を組みながら水底を這う無数の影。
ロウニンアジです。

グレートバリアリーフのナイトダイビング(撮影:越智隆治)

真っ黒で1m近い個体から、ギンガメアジくらいの若い個体まで、そこらじゅうをロウニンアジが猛スピードで行き交い、急ブレーキをかけたかと思うと目の前でガシガシと音を立てて捕食を始めます。

日中はなかなか寄らせてくれませんが、食事に夢中のロウニンアジは手が届くところまで迫ってきます。

グレートバリアリーフのナイトダイビング(撮影:越智隆治)

さらに夢中なのは見ているこちら。
サメとロウニンアジの迫力あるシーンに、気が付けばあっという間の1時間。

エグジット後も、強風の中、寒さなど気にならない様子で、皆、口々に興奮を伝え合うのでした。

GBRのナイトダイビングはやっぱりすごい!
ビールの誘惑に負けている場合じゃありません。

~バディ潜水で気ままに潜るGBR @ディープシーダイバーズデン

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バディ潜水とガイド付きダイビングを使い分けられるグレートバリアリーフ

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イースタンクラウンアネモネフィッシュ(撮影:越智隆治)

グレートバリアリーフの洋上なう、です。

ディープシーダイバーズデン(以下、DSDD)の宿泊船のウリは、気ままにバディ潜水。

バディ潜水しやすいポイントばかりなので、エントリー前にコンパスでリーフと船の方向を確認しておけば、アンカーロープと地形のナチュラルナビゲーションで問題なく楽しめます。

ディープシーダイバーズデンのブリーフィング(撮影:越智隆治)

わかりやすい地形なのでナビがしやすく、迷ったら浮上して確認すれば問題ない

 

探検気分で出会いを楽しむダイビングもいいですが、バディ潜水のよいところはテーマを追求したり、じっくり撮影できること。

クマノミ5種類見れるかな♪

「寺山君、なに撮ろっか?」と越智カメラマンに聞かれたので、「本場のニモが見たいです」とリクエスト。
すると、ガイドのマサさんが「せっかくだったら、GBRで見られる5種全部撮影してみてください」

ということで、ブリーフィングで「ロープを降りると水深○mにオオシャコガイがいるので、その左上の……」とそれぞれのクマノミが見られる場所を聞いてエントリー。

(※以下、英名)

1.スパインチークアネモネフィッシュ

スパインチークアネモネフィッシュ(撮影:越智隆治)

2.ピンクアネモネフィッシュ

ピンクアネモネフィッシュ(撮影:越智隆治)

すぐに2種ゲット。宝探しみたいでおもしろい。
“自分で魚を探したい”。
これ、意外と多いダイバーさんの願望ですが、バディ潜水なら心行くまで魚探しを楽しめます。

3.イースタンクラウンアネモネフィッシュ

イースタンクラウンアネモネフィッシュ(撮影:越智隆治)

4.バリアリーフアネモネフィッシュ

バリアリーフアネモネフィッシュ(撮影:越智隆治)

4種までは順調に探せたものの、結局レッドアンドブラックアネモネフィッシュが見つからず……。

どうしても見たいので、次のダイビングではマサさんにガイドについてもらい、速攻で5種コンプリート!

5.レットアンドブラックアネモネフィッシュ

レットアンドブラックアネモネフィッシュ(撮影:越智隆治)

DSDDでは、10年目のマサさんのような、生物に詳しくポイントを熟知している日本人ガイドが数人いるので、バディ潜水の時はダイブマスターとしてブリーフィングでじっくり情報を教えてくれ、もっとつっこんだ撮影をしたいときはガイドとして水中をエスコートしてくれます。

バディ潜水の方がリーズナブルですが、ときにガイド付きダイビングをしてみると違った世界が見えてくるのでおススメです。

DSDD10年目のMASAこと野村正人さん(撮影:越智隆治)

DSDD10年目でGBRの魚に詳しいいMASAこと野村正人さん

マクロに開眼⁉ 越智カメラマンの気になる魚たち

15年ぶりにGBRを潜る越智カメラマンが、積極的に小さな魚たちも撮影しているのは記事で紹介した通り。
地味でも美しい、グレートバリアリーフの小さな魚たち | オーシャナ

その後も、いろいろなマクロ生物を撮影するうちにドティーバック(メギス)が気になり始めた様子で、「ダスキーとかロイヤルもきれいだけど、他でも見るから、GBRならではのドティーバックを見たいな」。

ダスキードティーバック

ダスキードティーバック(撮影:越智隆治)

ロイヤルドティーバック

ロイヤルドティーバック(撮影:越智隆治)

すると、マサさんが図鑑で見られる可能性のあるドティーバックを紹介していると、越智カメラマンの目がキラーン。

「これ撮りたい」と指さしたのは、GBRの固有種らしきセイルフィンドティーバック。
「あまり数が多くないですが、明日探してみましょう」とマサさん。

日も暮れ始めたころ、聞きたいことがありマサさんを探すと「マサはダイビング中だよ」とスタッフ。
聞けば、セイルフィンドティーバックを探しに調査ダイビングをしてくれていたのでした。

翌日、「1個体だけいました」という根の場所を聞いて探してみると、いました、セイルフィンドティーバック!

セイルフィンドティーバック(Ogilbyina velifera)

セイルフィンドティーバック(撮影:越智隆治)

SAILFIN DOTTYBACK。「REEF FISH」によれば、グレートバリアリーフの固有種

こうした、マクロ撮影やマニアックなリクエストにも対応してくれるガイドさんがいると心強いですね。

さらに、燃えたマサさんと越智カメラマンは、やはり固有種のイエローテイルドティーバックや美しいオブリックラインドティーバックを見つけて萌えていました(笑)。

イエローテイルドティーバック(Pseudochromis flammicauda)

イエローテイルドティーバック(撮影:越智隆治)

YELLOWTAIL DOTTYBACK「REEF FISH」によればグレートバリアリーフの固有種

オブリックラインドドティーバック(Cypho purpurascens)

オブリックラインドドティーバック(撮影:越智隆治)

OBLIQUE-LINED DOTTYBACK「REEF FISH」によると、生息域はパプアニューギニアからグレートバリアリーフ、コーラルシー、バヌアツまで

「バディ潜水をやってみたかった」「自由に潜りたい」「メギスだけ撮りたい」などなど、目的に合わせて、バディ潜水とガイド付きダイビングを上手にセレクトして自分スタイルで楽しむ。

ひとつのダイビングの理想形です。

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迫力のナイト含め1泊2日で7ダイブ!洋上ステイでグレートバリアリーフ満喫ダイビングクルーズ

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ディープシーダイバーズデン(撮影:越智隆治)

デイトリップで行ける最北の海に浮かぶ洋上ホテル

グレートバリアリーフの潜り歩き第二弾、ディープシーダイバーズデン(以下、DSDD)が開催しているオーバーナイトクルーズ。

簡単におさらいしておくと、通常のクルーズは、船で寝泊まりして、移動しながら潜るというスタイルですが、こちらは、デイトリップで行ける最北のノーマンリーフやサクソンリーフに停泊している宿泊船に乗り込み、その周辺ポイントを楽しむスタイル。

わかりやすく言えば、洋上にホテルがあって、好きな時に行って、好きな時に帰れるというスタイルです。

ディープシーダイバーズデンの食事(撮影:越智隆治)

食事はビュッフェスタイル

宿泊船に2泊した感想を、弱点も含めて書いてみたいと思います。

1泊2日で7ダイブできる洋上ステイの魅力

1泊から宿泊可能な洋上ステイというスタイルは、「忙しい合間をぬってとにかくたくさん潜りたい!」という人にはまさにうってつけ。

初日はデイトリップ船に乗って2本、宿泊船に乗り換えてナイトも含めて2本。
翌日は3本の1泊2日で計7本潜ってケアンズへ、なんてことも可能です。

もちろん、もう少しのんびりしたい人は2泊や3泊、そして、ときにダイビングをパスをしたりと、自分スタイルに調整しつつ楽しむことができます。

クルーズといっても、まさに洋上ホテル。
例えば、陸上で観光地にいって「さて何泊しよう」と考えるとの同じで、デイトリップで行ける最北の海、ノーマンリーフ&サクソンリーフで「さて何泊しよう」と選べるのが洋上ステイの魅力です。

バディ潜水が基本のダイビングスタイル

DSDDでは、もちろんガイドを付けることもできますが、基本はバディダイビング。
自由気ままにダイビングを楽しめます。

オーストラリアでのバディダイビング(撮影:越智隆治)

バディ潜水を前提にポイントの選定やブリーフィング、安全管理をしているので、バディ潜水の経験のない人でも自分のことが自分でできるダイバーであれば問題なく潜れると思います。
ナビもしやすいので、バディ潜水にチャレンジするいい機会にもなるでしょう。

逆に、マサさん(野村正人)やジミーさん(吉橋直希)のような日本人のベテランイントラ兼ガイドがいるのもDSDDの大きなメリット。
バディ潜水が不安なら頼めばいいし、1本はガイドをつけてからバディ潜水を楽しむこともできます。

また、ポイントや魚のことを熟知しているので、自分で魚探しをしてみたい時にはガイドはつけずにブリーフィングで情報を聞き、つっこんだ撮影をしたい場合はガイドと一緒に潜り、と目的に合わせてダイビングを楽しめます。

ショートクルーズ向きの海。迫力のナイトは必潜!

ダイビングのポイントに関しては、ちょっと判断しかねるというのが正直なところ。
というのも、ここ最近にない悪天候で、風も25ノット以上あり…。

オーストラリアロケの天気

僕らの潜った5~7日は風と波高がMAX(泣)

マップや地形の感じから推測するに、日中のダイビングは、講習やビギナーが多いこともあり、初心者から潜れるポイントが中心です。

逆にいえば、ドリフトがんがんの大物狙い!というダイバーにはそもそもドリフトをやらないのでおススメしませんし、洋上ステイということで、ポイントを大きく移動しないので、そこまで大きな水中の変化はありません。
ショートクルーズ向けの海と言えるかもしれません。

バディ潜水にチャレンジしたい、自由気ままに潜りたい、フレンドリーなナポレオンと遊びたい、フィッシュウオッチングにテーマを持って潜りたい…と多くの目的を受け入れてくれるGBRの最大公約数的な海といったテイストで、誰もが楽しめる海といえるでしょう。

海況がイマイチだった中、僕らが最も興奮したのがナイトダイビング。
サメやロウニンアジが行き交う迫力の世界はGBRでしか味わったことのない経験です。

グレートバリアリーフのナイトダイビング(撮影:越智隆治)

あまり、知られてない印象ですが(写真にするのが難しいこともあるのかも)、これは心の底からおススメしたい。

ダイビングは快適、客室はエコノミークラス

ダイビング7本と食事込みで445AUドル(約4万円)と、リーズナブルな料金設定が魅力のDSDDの洋上ステイ。

料理や客室は決して豪華ではありませんが、快適に過ごせるよう、細かいところまで行き届いています。
本格クルーズSOF(スピリット・オブ・フリーダム)号がビジネスならこちらはエコノミーといった感じですが、料金設定を考えれば当然ですね。
※今後、船が変わる予定もあり、今回の取材と内容が変わるかもしれません。

ディープシーダイバーズデンの客室とベッド(撮影:越智隆治)

ツイン/ダブルオンスィートにはシャワー&トイレ完備

ダイビングスタイルは、さすがのオーストラリア基準といったところで(クイーンズランド州で厳しいダイビングの規定がある)、良い意味でのシステマチック。
特に不都合なことは思い当たりません。快適です。

ディープシーダイバーズデンのエントリー&エキジット(撮影:越智隆治)

宿泊船からエントリー、エグジットするスタイル。船の使い勝手は良い

ディープシーダイバーズデンのシャワー(撮影:越智隆治)

ダイビング後、すぐにトイレ付のシャワーに入れるのが嬉しい

せっかくの、デイトリップで行ける最北の海。
そのまま帰るのはもったいないし、慌ただしいので、1泊、2泊して、GBRを自由気ままに潜りたい人におススメのショートクルーズです。

それと、個人的には、ぜひ、この機会にバディ潜水の楽しみを知って欲しいです。
海と主体的に向き合って遊ぶことは、今まで味わったこのない緊張感の代わりに、充実感や興奮、感動が待っていると思いますよ。
※バディ潜水については、良い面、注意点を含めて後ほど書きます。

ディープシーダイバーズデンのスタッフ(撮影:越智隆治)

DSDDのスタッフたち。日本人ガイドも常駐しているので言葉の不安もない

今度はもっと良い海況の時に潜りたいなぁ。
ま、こればっかりはダイビングにつきものだから仕方がないですね。

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グレートバリアリーフをポートダグラス発のデイトリップ(日帰りツアー)で楽しむ!

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ダイブセブンシーズの船内(撮影:越智隆治)

グレートバリアリーフ潜り歩き第三弾は、DIVE7SEAS(ダイブセブンシーズ)によるデイトリップ(日帰りツアー)。

ダイブセブンシーズでは、もちろんケアンズ発のデイトリップも開催していますが、前から興味があった、ちょっと変わったポートダグラス発のデイトリップに参加することにしました。

まずは、ケアンズからおよそ1時間北上し、ポートダグラスへ。

オーストラリア、ポートダグラス港(撮影:越智隆治)

高級リゾート地にあるトラディショナルな雰囲気の港

ポートダグラスからSILVER SONIC(シルバーソニック)に乗船し目指すはエイジンコートリーフです。


大きな地図で見る

シルバーソニック(SILVER SONIC)号(撮影:越智隆治)

シルバーソニック号は、GBRを潜るボート中でも最も速いボートのひとつで、スタビライザー付きなので船酔いもしづらく快適

ケアンズ発のデイトリップでは行けないエイジンコートリーフは、ポイントマップを見るとわかるように、グレートバリアリーフと外洋のコーラルシーのエッジに位置しています。

シルバーソニックマップ

外洋からの潮当たりがよく、サンゴがGBRでも際立って美しく、地形も豊富でバランスが取れたリーフだという触れ込みです。

今、この原稿を書いているのはまさにシルバーソニック号の中。
これから潜る海のレポートは毎日、デイトリップの感想は最後にまとめてお届けしますので乞うご期待。
というか、自分が一番期待しています(≧▽≦)

さて、ポイントに到着したようなので、いってきます!

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【プレゼントあり】人懐っこいヤイトハタのセリフを考えてみよう!

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エイジンコートリーフのアイドルといえば、ヤイトハタのヤット君。
ということで、「ポテトコッド、ナポレオンと自分撮りできるアイドルが続いたので、とりあえず、ヤット君を探しましょう」とエントリーすると…

5分で登場!

エイジンコートリーフのヤイトハタ(撮影:越智隆治)

根沿いを泳いでいると、ふらっと登場したヤット君

探す必要がありません…。

「フィーディングされているはずですが、まだ人にあまり慣れていないかも」との前情報もありましたが、物欲しそうに自ら近寄ってきました(笑)。

ということで、こうなると、もうペットのようなもの。

こんなに近づけて、

エイジンコートリーフのヤイトハタ(撮影:越智隆治)

真正面からだって撮れるし、

エイジンコートリーフのヤイトハタ(撮影:越智隆治)

自分撮りだって。

エイジンコートリーフのヤイトハタ(撮影:越智隆治)

数匹のヤイトハタがいて、名前は特にないそうなので、とりあえず勝手にヤット君と命名してみました。

ナポレオンほどは近づいてこず、正面から近づくとやや嫌がりますが、こちらがくつろいでいると横にちょこんとお座り。

エイジンコートリーフのヤイトハタ(撮影:越智隆治)

慣れたのかなーと思って近づくとやっぱり距離を置こうとするので、いろいろ気を引こうとした結果、逆さまになると目の前まで寄って来て、じーっとこちらを見つめます。

変な絵…

エイジンコートリーフのヤイトハタ(撮影:越智隆治)

ナポレオンほど愛嬌はなく、ジャイアントポテトコッドほどふてぶてしくもなく、ちょっと奥ゆかして可愛いヤット君なのでした。

プレゼント問題!

下の写真の吹き出しに言葉を入れてください。
ナイスなコメントの中でも優秀賞には越智隆治の独断と偏見でケアンズプレゼントを差し上げます!

エイジンコートリーフのヤイトハタ(撮影:越智隆治)

【申込先はこちら】
コメントにペンネームを記入のうえ下記お問い合わせフォームからお送りいただくか、オーシャナのFacebookページのコメント欄に書き込んでください。

※優秀賞のほか、ナイスなコメントはオーシャナ上で発表します。
※応募〆切は、2013年9月16日(月)23:59です。

■撮影協力/ダイブセブンシーズ

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美しい!グレートバリアリーフのまさにグレートなサンゴ礁

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グレートバリアリーフのサンゴ(撮影:越智隆治)

ケアンズのあるクイーンズランド州の沿岸一帯に広がるグレートバリアリーフ。

長さ2,600キロ、総面積344,400平方kmと数字で言われてもピンときませんが、“宇宙からも見える”、“生物が作り出した単一構造物では世界最大”ということで、とにかくスケールが大きく、世界遺産で、7大世界の驚異で、ダイバーにとっては生物豊かなサンゴ礁の海なのです。

初めて訪れる人は、ビーチの目の前にサンゴの海が広がっているものだと勘違いするようですが、“沿岸”といっても地球規模のお話なので、出発する港やリーフによっても異なります。
ケアンズ発のデイトリップでも、1時間は沖にボートを走らせることになります。

そういう意味では、ビーチに寝そべっていてもグレートなリーフ体験はできず、グレートバリアリーフを最も体感できるのはダイバーというわけです。

グレートバリアリーフ(撮影:越智隆治)

グレートバリアリーフでのロケ。
もちろん、美しく元気なサンゴ礁を最高のコンディションで撮影するのが大きな目的でしたが、ずっと天候がグズグズの状態。

最後のチャンスとばかりに、ダイブセブンシーズのゲンさん(濱岡尚治さん)に「グレートなリーフを見せてつかあさい!」と頼み、もともと興味があったこともありますが、ポートダグラス発で行くエイジンコートリーフへ。

そして、やっと会えました、This is グレートバリアリーフ!

グレートバリアリーフのサンゴ(撮影:越智隆治)

グレートバリアリーフのサンゴ(撮影:越智隆治)

外洋のコーラルシーのエッジにあるためか、潮当たりも透明度もよく、元気なサンゴが群生していました。

栄養分を生み出し、多くの魚たちの生息場所にもなり、幼魚も多いサンゴ礁はまさに“生命のゆりかご”。
元気なサンゴは元気な海の証ですから、会えるとやっぱり嬉しくなります。

サンゴ礁というと、日本でよく見られるような、海岸から一面に続くサンゴ礁(裾礁・きょしょう)のイメージがありますが、GBRでよく見るのはインリーフの砂地に点在する根やGBRダイビングの名物でもあるボミー(小山のような隠れ根)の群生。

グレートバリアリーフのサンゴ(撮影:越智隆治)

ダイビングポイントによってサンゴの状態もまったく違うので、世界遺産の海の中にいるというダイナミズムを感じながら、グレートバリアリーフの自分なりのベストシーンを探してみてください。

グレートバリアリーフのサンゴ(撮影:越智隆治)

※ちなみに、ベストシーズンはまさに今ごろからで、サンゴの産卵は11、12月ごろ。

撮影協力:ダイブセブンシーズ

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グレートバリアリーフダイビングをポートダグラス発デイトリップで楽しむ!まとめ

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グレートバリアリーフのダイビング(撮影:越智隆治)

グレートバリアリーフ潜り歩き第三弾は、DIVE7SEAS(ダイブセブンシーズ、以下D7S)で潜る、ポートダグラス発のデイトリップ(日帰りダイビングツアー)。

■1日の流れはこの記事をご覧ください。
グレートバリアリーフをポートダグラス発のデイトリップ(日帰りツアー)で楽しむ! | オーシャナ

このデイトリップの感想を良い点、弱点、双方から率直に書いてみたいと思います。

ポートダグラスまではケアンズから車で1時間。
なぜ、これだけ移動するかといえば、ケアンズ発のデイトリップでは行けないエイジンコートリーフまで行くためです。


大きな地図で見る

グレートバリアリーフと外洋のコーラルシーのエッジに位置するエイジンコートリーフは外洋からの潮当たりがよく、「デイトリップで行ける最北端で最高の海です」と、D7Sのゲンさん(濱岡尚治)。

めっちゃ寄れる!
エイジンコートリーフの魅力

デイトリップで行くエイジンコートリーフの魅力は、良い意味でとってもわかりやすいこと。

まず、透明度がよく、ホワイトサンドの砂地が広がり、サンゴも元気(ポイントによってかなり異なりますが)。

エイジンコートリーフの砂地(撮影:越智隆治)

純白の砂地が広がる気持ちのいい海

エイジンコートリーフのサンゴ礁(撮影:越智隆治)

元気なサンゴもあちこちに

でも、何より、魅力的なのは魚がとってもフレンドリーなこと。

あ、メディアで使われる“フレンドリー”とはぶっちゃけ餌付けへの後ろめたさからくる暗喩ということで(笑)、賛否両論あってその議論はいずれやりたいところですが、ひとまず、フレンドリー…いや、ちょっと偽善に過ぎるので、“食いしん坊”ってことにしておきますが、まあ、とにかく近いのです。

グルーパーのような根付きの魚やスズメダイやベラなどサンゴ礁の魚たちが食いしん坊で近いのは慣れているのですが、驚くのは、ウメイロモドキやハナムロのような回遊している、通常、寄れそうもない魚たちもめっちゃ寄れること。
ポイントにもよっても異なりまずが、人には慣れている印象です。

エイジンコートリーフの回遊魚(撮影:越智隆治)

通常はなかなか寄らせてくれない魚

エイジンコートリーフの魚(撮影:越智隆治)

まさに毛穴が見えるほどの近さ
エイジンコートリーフのヤイトハタ(撮影:越智隆治)

食いしん坊アイドル、ヤイトハタのヤット君。と思いきや、英語圏スタッフからはアクセル君、D7Sではポチって呼ばれているそう

エイジンコートリーフのカメ(撮影:越智隆治)

カメも人に対する警戒心は薄いです

なので、まったりとわかりやすくGBRを楽しみたいダイバーや固有種探し、生態など、フィッシュウオッチング、撮影をじっくりしたいダイバーにおススメです。

コーラルシーの固有種、ブラックバタフライフィッシュ(撮影:越智隆治)

コーラルシーの固有種、ブラックバタフライフィッシュ

ただ、裏を返すと、ドリフトがんがん大物派には向いていませんし、ポイントもかぶることがあるので、長期滞在して変化を楽しむダイバーには物足りなくなる可能性はあります。

僕がデイトリップするなら、滞在する日数によりますが、ポートダグラス発のエイジンコートリーフで1~3日、ケアンズ発のフリン・ミルンリーフで1~3日と組み合わせて潜りたいなーと思います。

船酔いしづらく快適な高速艇、シルバーソニック

ポートダグラス発のデイトリップで乗るボートはクイックシルバー社のシルバーソニック号。

クイックシルバー社のシルバーソニック(撮影:越智隆治)

クイックシルバー社のシルバーソニック。スタビライザーがついているので酔いにくく、ケアンズでも一二を争う高速艇で船旅の快適度はかなり高い

ドリンクはもちろん、軽食がフリー。

シルバーソニックの軽食(撮影:越智隆治)

また、Wi-Fiもフリーで海上でもアクセスできるのも嬉しいところ。

シルバーソニックのフリーWi-Fi(撮影:越智隆治)

ダイビングに関しても、オーストラリアらしく、良い意味でシステマチックで、ハードの面でも特に不自由は感じませんでした。

シルバーソニックでのブリーフィング(撮影:越智隆治)

ウエットスーツを着たら、所定の場所に行って器材を背負って潜るだけ

アドバイスとしては、天気が悪いと寒くて、お湯が常時出るわけではないので、洋服やタオルで温かい環境を確保できるようにするとさらに快適かと。

ショップとガイドをミックスした
ケアンズでも珍しいD7Sのスタイル

第一弾の「TUSA&SPRIT OF FREEDOM」、第二弾の「ディープシーダイバーズデン」がすべて自社で運営しているのに対して、ダイブ7シーズはいわゆるショップスタイル。

メリットとしては、前者2つが大箱でニュートラルなゲスト対応なのに対して、D7Sは少人数ということもあり、ゲストとの距離が近い印象。
日本のショップツアーの距離感を想像していただくとわかりやすいですが、必ずガイド付きのダイビングで、お任せしておけば言葉を含めたすべてをケアしてくれます。

D7Sの代表、ゲンさんこと濱岡尚治さん(撮影:越智隆治)

ゲンさんこと、濱岡尚治さん。伊豆、グアムで経験を積み、現在、D7Sの代表

また、ゲストの要望に合わせてフレキシブルに乗る船を選ぶことができ、ケアンズ発、ポートダグラス発、クルーズといろんな船に乗れるのも魅力。

さらに、日本の都市型ショップと違うのは、現地サービス的なサービスも提供できること。
それこそ、毎日のように同じポイントを潜っているので、ポイントの把握度が高く、ゲンさん含め経験豊富なガイドも常駐していますので、フィッシュウオッチングのリクエストにも積極的に応えてくれます。

今回もマクロにハマっていた越智カメラマンの「固有種撮りたいですけど」「撮ってないの撮りたいんですけど」というリクエストにも応えていただきました。

ラベンダードティーバック(撮影:越智隆治)

越智カメラマンが特にハマっていたドティーバック。最後にGBRの固有種、ラベンダードティーバックを見せてもらい、「きれいだよね…」とうっとり

オーストラリアブレニー(撮影:越智隆治)

オーストラリアの固有種、その名もオーストラリアブレニー

グレートバリアリーフブレニー(撮影:越智隆治)

グレートバリアリーフの固有種、その名もグレートバリアリーフブレニー

「ここは魚のバリエーションが豊富で、ゲンさんも魚に詳しいので撮影したい人にはいいんじゃないかな。サンゴも元気だから、撮っていて気持ちいいよね」と越智カメラマン。

ショップスタイルの分、少々割高なので、付加価値に魅力を感じるダイバーにオススメです。
ほぼ、いつも日本で潜っている感覚で潜れます。

ケアンズとはひと味違う魅力
大人の雰囲気漂うポートダグラス

今回、「ここで飲みたいねー」と僕と越智カメラマンでつぶやいていたポートダグラスは、クリントン前大統領夫妻や英国王室が保養地として訪れる、トラディショナルな雰囲気を残す大人のリゾート地。

オーストラリアのポートダグラス(撮影:越智隆治)

デイトリップの場合、立ち寄る程度で、日本人マーケットも積極的に売っていないのですが、ケアンズとはひと味違った、時間の流れの遅い空間で過ごしたい人は、ポートダグラスステイもありなかと思いました。
高級リゾートという割にはリーズナブルなホテルも結構あるそうです。
英語にストレスのない方はぜひ。

ということで、2週間に渡ってお届けしたグレートバリアリーフを潜る3つのスタイル。
お気に入りのスタイルを選んで、ぜひ、世界遺産の海を体感してください!

※バディ潜水や受け入れ側という視点でもとても興味深いケアンズの旅となり、その辺は今後記事でご紹介できたらと思います。

ダイブセブンシーズのFacebookページはこちら!

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続・大人だけどダイビング中にうんちをもらしました

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大便、もとい、大変反響をいただいた「大人だけどダイビング中にうんちをもらしました」。

ダイビングとナマコ

ダイバーだってナマコだって生きている者みなうんこします。いや、剛力ちゃんはしないけどね!

海の素晴らしさを伝えようと血と汗にまみれて書いた記事より、ウンコにまみれた記事のアクセス数の方が多いとは。くそ。

いや、きっと皆、言わないだけど実はけっこうお漏らししたことあるよね、ね!ということで、仲間を探して自分の尊厳を取り戻すために行ったアンケート。

Note: There is a poll embedded within this post, please visit the site to participate in this post's poll.

微妙…。

14人もの同志がいるとも言えますが、割合で考えるとたったの4%とも言えるしなぁ…。
でも、ウエットを脱いで水中でしたことのある人が50人もいるのは、したことのない人から見たら驚きなのではないでしょうか?

とはいうものの、やはり、所詮おもらしうんこマンはマイノリティで陽の目を浴びることはないのかと再び落ちる気持ちを鼓舞するかのように、プロダイバーの方々から、「私もあります!」と個別のメールやメッセージが続々と垂れ流れてきました。

ですよね、ですよね。
プロだったらありますよね!と読んでみると、おもらしから、ウエットを脱いでやったときの苦労話などその体験談のおもしろいこと、おもしろいこと。

中には、陸上で飲み過ぎて、朝起きたら部屋中がクソまみれだったという「それとは一緒にしてくれるな」という体験談もありましたが、ありがとうございました。

せっかくなので、おもしろいのはもちろん、「え! こんな方まで」と勇気づけられるオーシャナでもおなじみの三保耳鼻咽喉科院長の三保仁先生のうんこ体験談をご紹介します。

以下、三保先生ご本人による体験レポ

トイレ装備のないドーニで遠征デイトリップ。
日本人は私とバディだけ。

エントリー前から催していたが、まあ水中ですればいいやと思ってバディと2人でエントリ-。
リーフの根の壁には数千のヨスジフエダイが雲のように群れている。

ヨスジフエダイ(撮影:越智隆治)

やはり途中で激しく催し、バディに告げて壁の亀裂に入り込み、タンク、ウエイト、ウエットを脱いでタンクを股に挟んで、中性浮力を取りながら快感のひととき。

しかし、気がつくと、まったく周囲が見えないほどにヨスジフエダイが体の周りに!

そう、うんちをお魚さんは食べるんですよね。

最後のひとひねりの時に、食べ損なったヨスジがまだ生まれかかっている途中のうんちをめがけて何匹も突進!!
激しい激痛が菊の花に走る……。

それで盛り上がりがストップしてしまい、装備を元に戻して亀裂から出た所をちょうど、ドイツ人ガイドの率いるグループが通過。

ガイドはすごく怪訝そうな顔。
バレたのかもしれないと思ってエキジットしてみると、「餌付けは禁止されているんですよ! あなたは今後のダイビングを禁止します!」と皆の前で厳しいお言葉。

まじ? うんこじゃなくて餌付けだと思われている。
仕方がないから、隅っこにガイドを呼んで事情を説明すると、大笑いされる。

「何だそうなのか、それは申し訳なかった。みんなには内緒にしておくよ」と無罪放免にされました。

でも、他のお客さん達は、「どうやって許してもらえたの??」とうるさくて困ったのでした。
その後、数日間は毎朝トイレで痛みをこらえながら踏ん張ることになったのでした。
恐るべしヨスジフエダイ!その後、ヨスジを見るたびにそのことを思い出してしまうのでした。

あと、フロリダケーブで、水中でおなかが痛い!
30分我慢して何とか出口まで出たが、水面移動中に極限に達し、エキジット前にとうとうウエットの中でしてしまいました!!

ケーブでは出口まで帰ってこないとエキジットできないですし、ケーブは広くないし、ダブルタンクを脱いでうんこはさすがに困難。
ケーブダイバーは絶対にウエットの中でするしかないですね。

ダイビング界で有名な医師であり、日本を代表するテックダイバーの三保先生まで体験したことがあるであれば、これはもう、うんちのお漏らしはお染み付き、もとい、お墨付きが出たようなもの。

おもらししちゃったときは、そんなダイバーも案外いるんだと思って、気を落とさずに、まずはすぐに臭いを落とすことに全力で。

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ダイビングの“ガイド”なのか、“ガイドさん”なのか

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ダイビングの記事を書く時にいつも悩むのが、“ガイド”と書くのか“ガイドさん”と書くのか。
未だに悩みます。

ダイビングガイド(撮影:越智隆治)

いつも揺れて、ひとつの特集の中で両方の記述をすることが多々あり、校正さんによく「どっちかに統一してください」と赤字をよく入れられていました。

そんなこんなで「職業名+さん」について調べると気になるコラム(?)がありました。
職業名+「さん」

基本的にリンク先のコラムに同意で、職業に“さん”付けをするのは「見下しているわけじゃありませんよ」というエクスキューズという意味合いが大きいのかもしれません。
言われた方は怒るとまでいかなくても不愉快に思ってもよいはずです。
これが僕のベースの考えにあります。

では、なぜ僕がガイドとすんなり書かないかといえば、逆にガイドと言われるのが不愉快だとガイドさんに言われたことがあるからです。
また、編集部時代に、「さん付けにした方が良い」と先輩にアドバイスされたこともあります。

馬鹿にされたとまではいかなくても、若造に呼び捨てにされているくらいの感覚があって不愉快に感じる人もいるんですよね。
そこで、しばらく使っていたのが、“水先案内人”とか“海の演出家”など。
さん付けで悩まなくてよいので。

なんて気をつかっていたら、今度はとある伊豆のガイドに「俺はガイドであって、それ以上でもそれ以下でもない」と言われたこともあります。

どっちやねん! って言いたいところですが(笑)、やはり言葉にはその成り立ちや背景があり、さらに、使う人の思い、使われる場面の背景をも投影されてしまうので、そう簡単にはいかないのかもしれません。

ダイビングガイド(撮影:越智隆治)

“ガイド”という職業名に込める意味、込められた意味

僕の実家は肉屋ですが、ネガティブにも取れる背景を持った職業なので、「おい! こら肉屋!」といった使われ方をすると、蔑称という文脈でとらえられるかもしれません。

また、テレビの中で、おネエ系の方たちが、“オカマ”という言葉を「自分たちで使う分にはいいけど、人から言われると嫌」と全員一致で言っていました。

今では、肉屋は単に職業、オカマもおネエ系と同じくらいの意味で使っている人も多いと思うのですが、受け取る方は当事者である分、使う側とは違って、蔑まされてきた歴史まで込みで考えます。
確かに、職業名は、ある意味、アイデンティティを表す重要な言葉と考えれば、当事者が使う人以上に思いを乗せてくるのは当然といえば当然です。

もちろん、ダイビングのガイドという言葉に複雑な背景などはなく、蔑称として使っている人は皆無だと思うのですが、当事者の中には、ガイドという言葉が無機質過ぎると感じている人もいるようです。

ガイドを直訳すると「案内する人」ですが、ガイドと呼ばれるのに抵抗ある人の心理に見え隠れするのは「ただ案内する人ではない」、もっと言えば「たかが案内する人ではない」ということではないでしょうか。

ガイディングに付加価値を付け、プライドをかけ、ただ案内すること以上のことを目指すことは、これはこれで素晴らしいことです。

ただ、難しいのは、justガイドにプライドや哲学を持っている人もいて、「たかがガイド、されどガイドなんだ」と意味の込め方も人それぞれ。
ガイドという言葉以外にも、その人の思いに合った言葉を選択できればいいのですが、人に伝わることを考えるとガイド以上の言葉はあまりなさそうです。

その点、プロのカメラマンの場合は、水中写真家、水中カメラマン、自然写真家、海のカメラマンなどなど、造語も含めていろいろな選択があって、どの肩書きでも人に通じるので、自分の思いや志向を表しやすいといえます。

ちなみに、新聞社の新人時代に「カメラ!」と呼ばれていたオーシャナ代表の越智カメラマンは、人でさえあれば(笑)あまり肩書にこだわりはなさそうですが、写真家とカメラマンとは明確に分けている印象はあります。

石垣島でダイバーデビュー(撮影:岡田裕介)

特定個人ではないけど、やっぱり“ガイドさん”!?

職業で人を呼ぶ場合、もうひとつのポイントは、単にその職業についての使われ方なのか「~という職業の人」という使われ方なのかという点。

特定の人を頭に浮かべて人に説明するときは、さん付けはありでしょう。
例えば、「○○病院の看護士さんが親切にしてくれてね~」というのは自然な感じ。

ただ、とある業界で、特定の職業の方とたくさん会って仕事も一緒にしていると、職業名が単に職業でなく、人格を持ったような感じになるのかもしれません。
そういえば、出版界でも、ライターさんって呼んでいる人、結構いる気がします。

そういう意味では、ダイビング業界で、いろいろなガイドさんと潜ることの多い自分の場合、ある一人を指してはいなくても、個々の集合体とでもいいましょうか、“ガイド”という言葉はほとんど特定の人のようなもので、“ガイドさん”と自然に出てしまうのかもしれません。

ただ、コラムにもあったように、僕も違う業界で代理店さんとかモデルさんって言うのを聞くととても違和感があるので、オーシャナの読者からしたら、“ガイドさん”と書かれているのは違和感があるのかなーとも思ったり。

そんなこんなで、今日も明日もまた“さん”を付けるかどうか悩むスパイラル……。

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パプアニューギニアのダイビングイベントでバードウォッチングもテーマにした理由とは?

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2013年9月19日(木)、ニューギニア航空とパプアニューギニア政府観光局によるパプアニューギニアナイトが開催されました。

今回で4回目を数えるこのイベント。
会場となった銀座「シテ・ドゥ・タン ギンザ」には150人ものゲストが集まり、テラスにまで人があふれほどの大盛況となりました。

パプアニューギニアダイビングイベント

今回のパプアニューギニアナイトのテーマは、“ダイビング&バードウオッチングイベント”。

「なぜ、ダイバーが集まるイベントに鳥なの?」という疑問がわいてきますが、「ダイバーの皆さんは、ご存じのように最終日に潜ることができませんよね。そこで、鳥を愛する人たちも多く訪れるパプアニューギニアで、ダイバーたちにも陸上の大自然、そしてバードウオッチングにも興味を広げていただけるきっかけにしたかったのです」とパプアニューギニア政府観光局の山田隆さん。

パプアニューギニア政府観光局の山田隆さん

パプアニューギニア政府観光局の山田隆さん

イベントの目玉となるプレゼンテーションでまず登壇したゲストスピーカーは、ダイバーにはお馴染みの水中カメラマン、石川肇さん。

キンベ、ラバウル、トゥフィなど、パプアニューギニア各地の海の映像と共に、その個性的な魅力を語ってくれました。

石川肇スライドトークショー

「パプアニューギニアの海は、ひと言で表すなら“ラストフロンティア”。素晴らしいサンゴが広がる穏やかな海と何が出るかわからないワイルドさを持ちあわせた原始的な海で、自分の中にある何かを呼び起こしてくれるような感覚がしてきます」

水中カメラマンの石川肇さん

水中カメラマンの石川肇さん

※2013年12月7日BSのスペシャル番組で石川さんの撮影したパプアニューギニアの特番が放送される予定ですので、詳細が分かり次第お伝えします。

続くゲストスピーカーは、バードウオッチングツアーをてがける日比彰さん(アルパインツアーサービス株式会社)。
国鳥である極楽鳥を中心に、パプアニューギニアで見られるおもしろい鳥たちを紹介してくれました。

世界44種いる極楽鳥のほとんどがパプアで見られるそうで、フィッシュウオッチング感覚で、探してみるとおもしろいかもしれません。

参加したダイバーたちも「フィッシュウオッチングや写真など、ダイビングと共通点があるし、周りを見渡せば鳥はいっぱいいるので、ちょっと注目しようと思います」「ディスプレイなど、鳥の生態もおもしろそうですね」「半日ツアーなどがあれば参加してみたい」と興味を示しているようでした。

その後、フード&ドリンクフリーの立食パーティーがあり、ゲストスピーカーを始め、パプアニューギニア関係者も多くいたので、ダイバーたちにとっては良い情報収集の場になったのではないでしょうか。

最後は、パプアニューギニアツアーが当たるじゃんけん大会で盛り上がり、あっという間の2時間は終了。

パプアニューギニアダイビングイベント

ビスマルク海、ソロモン海、サンゴ海に囲まれ、1年中潜れる手つかずのパプアニューギニアの海。
潜りたい時が潜りどきです。

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快挙!フリーダイビング日本代表・岡本美鈴、世界選手権で銀メダル獲得

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フリーダイビング岡本(平井)美鈴

Photo by Daan Verhoeven

2013年9月15~22日、ギリシャにて開催されたフリーダイビング世界選手権で(海洋・個人戦)、岡本美鈴選手が86mを記録し、銀メダルを獲得しました。

フリーダイビング岡本(平井)美鈴

2003年、ほとんど泳げない状態から始めたフリーダイビングの世界で、2011年の個人戦・銅メダル、2012年の団体戦・金メダルに続き、わずか10年で世界2位の銀メダルの獲得。
個人戦での銀メダル獲得は男女含めて日本人初の快挙となりました。

フリーダイビング世界選手権2013年

金=Natalia Molchanova(RUS)96m、銀=Misuzu Okamoto(JPN)86m
、銅=Natalia Zharkova (UKR) 85m Photo by Megumi Matsumoto

疲れのためか本調子でなかったとのことですが、「2011年の個人戦・銅メダル(3位)を、銀メダル(2位)に格上げする事ができました。何とか日本の意地を貫きました。応援者・支援者の方々に感謝致します、ありがとうございました!」とエースの意地を見せてくれました。

エースの美鈴さんを筆頭に快進撃の続く日本代表チーム。
今後のますますの活躍と欧州では人気でも、日本ではまだまだマイナーな競技フリーダイビングの盛り上がりに注目です!

■開催大会=AIDA World Championship 2013
(フリーダイビング世界選手権・海洋・個人戦)
■主催  Freediving Club Greece
■公認  AIDA (アプネア国際振興協会)
■期間  2013年9月15~22日
■場所  ギリシャ・Kalamata
■参加国 32ヵ国(各国代表選手・計143名)
■種目  CWT(無酸素・足フィン有りで海中深度を競う)
■記録  深度86m:銀メダル(世界2位)
AIDAサイト:http://www.aidainternational.org/
大会サイト:http://www.aidaworldchampionships.com/

岡本(旧姓:平井)美鈴プロフィール

フリーダイビング岡本(平井)美鈴

1973年1月30日・東京生まれ
身長158cm、体重50kg、血液型O型
東京フリーダイビング倶楽部
公式サイト: http://mimidive.com/
公式ブログ: http://blog.mimidive.com/
Facebook : https://www.facebook.com/mimi.hirai

ほとんどカナヅチの状態からイルカと一緒に泳ぐ事を夢見て、2003年よりフリーダイビング競技を開始。
競技歴10年で日本女子No.1の座に君臨し、2010年世界大会・団体戦で金メダルを初獲得。
3種目では世界ランキング3位(2011年8月)。
地下鉄サリン事件遭遇、卵巣腫瘍摘出という2度の生命の危機に遭った事で、潜水から浮上した際の生命の実感=生きる喜びを確認したいという想いが、フリーダイビングを極める理由の1つ。
平井にとってフリーダイビングは、単なる競技ではなく、偉大な自然(海)との一体化を求める精神世界。
世界一を狙える競技センスと親交的なキャラクター、そして海洋保全活動等によってメディア出演多数。
キャッチフレーズは「海を敬愛するリアル・マーメイド」。
趣味は灯台巡り。

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